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Doctor Keiichiro Ohshima

大島慶一郎(1908-1996)と大島慶一郎関係文書に関する資料

診療所の歴史(医療生協さいたま大井協同診療所の歴史)
 1945   社務所での大島医師の診療開始
 1946   健康保険組合大井医院開設 院長 大島慶一郎
 1949   閉鎖に対し裁判闘争始まる
 1950 川越診療所開設
 1951 富岡診療所開設
 1952   裁判闘争に勝利し施設を買い取る

医療生協さいたま 秩父生協病院の全日本民医連の紹介ページ
   埼玉県の民医連の事業所一覧 住所・連絡先も掲載

所沢診療所 創立70周年ちらし 1953年9月1日に大島慶一郎医師を初代所長に迎えて所沢診療所が創立されたので、2023年9月で70周年を迎えたと伝えている ひこうき雲(医療生協さいたま) 2023 No.9

医療生協の歴史と沿革(日本医療福祉生活協同組合連合会HP)

cf. 記念誌「医療生協さいたま 合併30年の歩み」医療生協さいたま30周年事業実行委員会 2023/02
   この記念誌冒頭の記事により、埼玉県民主医療機関連合会の大会決議により医療生協化と組織統一が進められてきたことが分かる。つまり、民医連が医療生協化・組織統一を推進するという関係性にあることが理解される。そして1992年に県内の医療生協は統一され、「医療生協さいたま」がスタートしている。

政治経済研究所大島社会・文化研究室報告 大井医院・大島慶一郎関係資料の意義と展望ー地域に残る戦後史資料の可能性を考える 報告 鬼嶋淳 専修大学文学部教授 2022/03/01 peatix
報告要旨 2001年に大井医院は解体され、大島慶一郎関係資料は、ふじみ野市立大井郷土資料館に運ばれた。資料の調査・整理・目録作りが行われ、2023年に目録が刊行される見込み。資料は3つの資料群に分けられる。1)戦後医療運動に関する資料、2)地域政治関係の資料、3)地域関連の資料 である。ほかに大島個人に関する資料があり、総数はダンボール箱で500箱以上。

政治経済研究所大島・社会文化研究室報告の告知 2022/02/01付け
報告要旨 および 主催主旨(事務局)


鬼嶋淳『戦後日本地域形成と社会運動―生活・医療・政治ー』日本経済評論社 2019に対する坂口正彦(大阪商業大学)の書評 歴史と経済 250 2021/01  62-64

cf.  鬼嶋淳 戦後地域における「デモクラシー」研究の課題と方法『部落問題研究』231  2020/02   26-31
cf.  『学習ブックレット 民医連の綱領と歴史』保険医療研究所 2019/03

ふじみ野市平成30年度(2018年度)事務事業評価シート 大島家文書の扱いについてはpp.19-20  評価日 2019/04/05  目録作成に向けた整理業務が記録されている 大島家文書については「戦後大井地域の歴史、とくに地域医療活動を知る上で重要」と記されている。

科研成果報告書「戦後日本における医療運動の展開と地域社会形成に関する実証的研究」2018/06/13提出 研究期間2013/04/01-2018/03/31  鬼嶋淳 佐賀大学准教授
 1950年代における農村医療運動の展開と地域社会 部落問題研究 205 124-156
   大井医院・大島慶一郎関係資料目録 埼玉県ふじみの市立大井郷土資料館

権田圭助サンのインタビュー(取材時88歳)MIN-IREN トピックス 2017/11/30
 戦後18歳で日本電気に就職。党員を理由にレッドパージで失職。警察に追われる中、改名して大井病院で集金係として働く。取材時、レッド・パージ反対全国連絡センター事務局次長。大島医師の献身的な医療活動を伝えている。

医療生協さいたま生活協同組合HP 2016/08/19 「大井診療所70周年のつどい」2016/08/27開催の案内 午後の講演 佐賀大学准教授 鬼嶋淳 先生「戦後大井村における農村医療運動―大井医院の出発」 

医療生協さいたま生活協同組合Press Release 2016/08/19  大井診療所70周年のつどい 2016/08/27 開催の案内 開設時と現在の大井診療所の写真あり

鬼嶋淳 一九五〇年代における農村医療運動の展開と地域社会:埼玉県大井医院を中心にー 『部落問題研究』205  2013/06  124-156
cf. 全日本民医連『無差別・平等の医療をめざして 上下』保険医療研究所 2012/02

cf. 鬼嶋淳 1970年代における空襲・戦災記録運動の展開ー東京空襲を記録する会を中心にー 『日本史研究』34  2008   94-113 

鬼嶋淳 戦時・戦後の保健医療問題と農村社会 日本史研究 32  2008 94-113

ふじみ野市の成立(上福岡市と大井町が合併)2005年(平成17年)10月1日
大井町立郷土資料館はふじみ野市立大井郷土資料館に改称

さいたま民医連50周年記念集会 2004 /01/24 来賓・OB挨拶 権田圭助氏の話の中で、健康保険組合と大島氏が対立して、大井医院の閉鎖をめぐって争いが起きたことが説明されている。

吉田健二「民主評論の創刊と編集・経営事情(1) 占領期の左翼雑誌」『大原社会問題研究所雑誌』 489   1999/08   19-34
ここで大島慶一郎について、大島は有賀新と第一高等学校時代以来の友人であり、大島は1945年1月に東京都駒込社会保険病院内科部長を辞めて、農村医療に従事するため埼玉県入間郡大井町に転居した。その転居の前後や終戦直後に上京の際に有賀と会って、有賀から政治雑誌創刊の意図を聞いているとする。創刊の意図は、大衆にデモクラシーを普及確立することにあり、読者対象も広く大衆を想定していたと。pp.22-24 なお吉田は典拠は1991年1月21日に大島の自宅で行った聞き取りにあり、その詳細は、大原社会問題研究所雑誌395号と397号に発表済で、この箇所は397号ですでに発表した部分だとしている。

増岡敏和『大島慶一郎医師風雲伝:二十四時間は患者のもの』政治経済研究所 1998/10 
注釈で大島について生協医療運動家で、埼玉県議会議員を3期務めたとある。なお政治経済研究所の刊行とあるが、現在の公益財団法人政治経済研究所のHPには、本書に関する情報はなかった。なお増岡氏は民医連で医療史に関わる著述がある。『所沢市文化振興ビジョン』2018/0
1において増岡氏は、所沢にゆかりのある著述家の一人として紹介され、そこに『大島慶一郎医師風雲伝』が著述の一つとして紹介されているp.63。


松島春海 追悼 大島慶一郎名誉顧問 大島久保記念医療文化研究所のことなど 政経研究 68  1997/05   37-39

大島慶一郎氏に聞く 民主評論と有賀新 下 法政大学大原社会問題研究所雑誌 397 1991/12  54-63

大島慶一郎氏に聞く 民主評論と有賀新 上 法政大学大原社会問題研究所雑誌 395
1991/10  59-69

大井町史編纂委員会『大井町史 資料編3-2(現代)』大井町, 1989/08 (国会図書館デジタル化資料)この資料はデジタル化されており国会図書館の利用者カードがあれば、自宅から全文検索できる。本書には「大井医院の十九年の医療活動」と題した資料が納められている。これは全国民医連第11回総会の討議資料として埼玉民医連が提出したもので、大島慶一郎氏所蔵資料とある(pp.166-174)。活動を通して学んだこととして記されていることなどが参考になる。なおこの資料で大島は大井での診療について、当初は東京の病院に通勤しながら、朝夕患者を診ることでスタートしたと説明している。 

大井町立図書館と大井町立郷土資料館が併設施設として同時に開館 1988

大島慶一郎 大井町国保の現状と運動 『賃金と社会保障』922  1985/09/25  26-27

全日本民主医療機関連合会歴史編纂委員会編著『民医連運動の軌跡』全日本民主医療機関連合会 1983/12  (国会図書館デジタル化資料)この資料はデジタル化されており国会図書館の利用者カードがあれば、自宅から全文検索できる。大井医院の闘争が、税金の取り立てに反対するものでもあったことなど詳しく書かれている(pp.84-87)。全日本民主医療機関連合会の発足(1953年)にあたり、大島が二人の副会長のうちの一人に就任したこと(p.115)。その後、活動の空白県をなくすため(1955年)、茨城と山梨に大島自らが出向いたこと(pp.150-151)。文化大革命渦中の中国に第三次訪中団の団員として訪中したこと(1964年9月―10月 pp.268-269)が記録されている。

埼玉県議会選挙・旧西第7区 9回(1979/04)-17回(2011/04)
    大島慶一郎氏は9回1979/04と10回1983/04に出馬。9回は8394票で当選。10回は8481票となるも落選。以後、共産党はこの区で議席を得ていない。区割りは第15回までは大井町、三芳町。

cf. 増岡敏和『民主医療運動の先駆者たち』全日本民主医連本部 1974/01


参考  ふじみ野市の発表資料等

  ふじみ野市議会の構成
 2023/04/23選挙結果 定数21   党派別 共産 4 公明 4 自民 3 立民 1   参政 1    維新 1  無所属 7。(自民などが登場。共産は候補者を4に絞っている)
 2019/04/21選挙結果 定数21  党派別 共産 5 公明 4 立憲 1 無所属 11。
    2015/04/26選挙結果 定数21  党派別 共産 5 公明 4 民主 1    無所属 11。  

    参考 ふじみ野市地域の医療と介護を守る条例 2023/04/01施行

 ふじみ野市大井郷土資料館の過去の展示会テーマ一覧(ふじみ野市HP)
 いわゆる日本史をテーマにしたものがほとんどで「大井医院・大島慶一郎関係資料」を扱った展示会が行われたことがない。
 大井郷土資料館の展示室・事務室・所蔵庫の現状(ふじみ野市HP)
 常設展示を旧大井村役場で、特別展をふじみ野ステラウェスト(図書館や大小ホール、ギャラリーなどがある複合文化施設)で行っている。他方、事務室・所蔵庫を旧商工会館に置いている。また市民からの資料寄贈を募集している。
 大井郷土資料館刊行物(ふじみ野市HP)
 収蔵資料目録の非売品のところ。2013年7月刊として「大井医院・大島慶一郎関係資料目録Ⅰ」が掲げられている。所蔵資料として認識していることを示している。

 なお、ふじみ野市は大島家文書について、ふじみ野市平成30年度(2018年度)事務事業評価シート において(大島家文書の扱いについてはpp.19-20  評価日 2019/04/05  目録作成に向けた整理業務を記録)「戦後大井地域の歴史、とくに地域医療活動を知る上で重要」と評価している(p.20)。

   令和5年度第1回ふじみ野市資料館運営協議会会議録 2023/05/25 (ふじみ野市HPでは前年度の会議しか見れないので注意が必要)この会議録では大井郷土資料館の移転の経緯、今後、 上福岡歴史民俗資料館との統合で資料調整の可能性、大井郷土資料館に市民団体?の大井歴史研究会が存在すること、資料館の役割として小中学校の教育での利用が考えられていること、などが読み取れる。保存スペースは限られているとしつつ、除籍を進めるという考え方は読み取れない。大島家文書については言及がない。

 令和5年度第1回ふじみ野市文化財保護審議会会議録 2023/06/02  諮問を受けて二つの資料館の統合について議論が行われている。焦点の一つは、上福岡歴史民俗資料館で活動している市民グループの問題。規模については合わせて(郷土資料館と図書館の意味か)2000㎡という数値が出ている。

 
令和5年度第2回ふじみ野市文化財保護審議会会議録 2023/06/16  答申案が示されそれを巡って議論が進んでいる。最初に複数の委員からこの機会に資料館ではなく、博物館を目指すべきとの意見が強くだされたが、議長である会長がそれを明記することは制約になるとまず否定したが、最終的には構想を進めてゆく中で(意見がでたことを)加味したいとしている。議論のなかで、小学生だけでなく多様な年代、多様な人々の利用を想定すべきとの声が出た。議論の終盤で会長は「ふじみ野市には戦中や戦後復興時の資料が豊富にありますので、新しい資料館の展示構想にはぜひ近現代史を」加えて欲しいとし、近現代史を扱う「歴史総合」が高校の必修科目となったことを踏まえて「近隣の高校からの利用」を展示構想に、反映することをも訴えている。 

 令和5年度第7回ふじみ野市定例教育委員会会議録 2023/07/18  教育委員会で資料館の統合を議論しているのは令和5年度中はこの会議だけである。5月25日の資料館運営協議会での議論を受けて、ふじみ野市文化財保護審議会から「ふじみ野市立上福岡歴史民俗資料館及び大井郷土資料館の統合について」と題した答申が出されたとして、この答申についての報告と議論が行われている。議論されているのは上福岡歴史民俗資料館の資料館友の会に今後どのように活躍の場を与えるかについて。大島慶一郎関係文書を始め、資料の問題は議論されていない。

 2023年11月大井郷土資料館は旧商工会館大井支所に移転。旧大井村役場をふじみ野の歴史を学べる展示施設として2023年10月に一般公開。市報ふじみ野 2023/08 p.14 

   令和5年度第2回ふじみ野市資料館運営協議会会議録 2023/10/16 この会議で大井郷土資料館の大規模改修工事のスケジュール、改修後の展示コンセプトなどが説明されている。大島慶一郎関係文書については言及がない。

   2023年11月入札情報(ふじみ野市HP) 2023/11/10  仮称大井郷土資料館大規模改修工事設計業務委託 一般競争入札 設計額 33,695,000円    落札業者 株式会社ユニマート設計事務所 落札価格 20,217,000円

ふじみ野市広報紙が市立大井郷土資料館は2026年9月頃にリニューアルを広報 2024/02 
    ステラウェストに大井図書館が移転したスペースを有効活用するため、上福岡歴史民俗資料館と大井郷土資料館を統合し、市の歴史文化を総体的に学べる新たな資料館として令和8年(2026年)9月頃にリニューアルします。市報ふじみ野  2024/02 p.5最下段記事 

 特集 資料館 訪ねてみよう ふじみ野市の歴史へ 2024/02/01  ふじみ野市広報 作成者不明 市として資料館の意義をどのように認識して、広報したかを示す記事

令和5年度第3回ふじみ野市資料館運営協議会会議録 2024/02/16  新資料館の在り方が議論され、離接する文京学院大学との連携により、若い世代を誘致することが課題とされている。現状は小中学校が利用の主体。大島家文書については言及がない。

ふじみ野市立大井郷土資料館が教育長朝倉孝名の公文書を政治経済研究所に宛て発信(
ふ大郷第524号2024/03/26付)主な内容はー大島家文書のすべてを政治経済研究所に寄贈する。作業に関わる経費をすべて政治経済研究所が負担。搬出期限は2024/06/30。寄贈後の資料の取扱は研究所に一任。 

ふじみ野市広報紙が資料館整備を広報。2024/05  内容はー新たな資料館を整備します。大井郷土資料館と上福岡民族資料館を統合して市の歴史・文化を学べる新たな資料館とするため、旧大井図書館・大井郷土資料館の大規模改修を行います。令和6年度(2024年度)は展示設計を行います。市報ふじみ野 2024/05 

   2024年5月入札情報(ふじみ野市HP) 2024/05/10  仮称大井郷土資料館大規模改修工事に伴う展示設計業務委託 指名競争入札 設計額 24,890,000円

連絡先 埼玉県ふじみ野市福岡1-1-1   ふじみ野市市役所 049-261-2611
    市長  高畑 博(ひろし)
    教育長 朝倉 孝
               ふじみ野市文化財保護審議会会長 松尾 鉄城(てつき)

連絡先 医療生協さいたま生活協同組合 理事長雪田慎二 1992/04/01設立 333-0831 川口市木曽呂1317  084-294-6111 info@mcp-saitama.or.jp

大島家文書に関するふじみ野市の姿勢と政治経済研究所の今後の対応について
 前提として、ふじみ野市資料館の資料管理の仕組みを理解するために、ふじみ野市の関連する条例などが必要だが未入手である。必要に応じて開示請求の必要がある(ふじみ野市資料館条例、ふじみ野市資料館条例施行規則、ふじみ野市資料館の資料に関する規則:ふじみ野市HPからうまく検索できず)。
 
ふじみ野市が政治経済研究所に送付した文書(ふじみ野市教育委員会教育長名 しかし発信はふじみ野市立大井郷土資料館 ふ大郷第524号2024/03/26付)がこうした資料管理の仕組みに沿ったものかどうかは、今後、これらの関連規則を入手して、十分検討する必要がある。
 現時点で、ふじみ野市が大島家文書について除籍の判断をしたとまでは、断定できない。現状HP上に資料館所蔵資料の目録に2013年刊行の「大井医院・大島慶一郎関係資料目録Ⅰ」が掲げられている。
 また平成30年度(2018年度)の事務事業評価シートが入手できたが、これによれば戦後大井地域の歴史、とくに地域医療活動を知る上で重要」であると、大島家文書は評価されている。ほかの年度の事業評価シートも入手できれば、評価が固定しているか変化しているか判断できる。もし評価が変更されていないのであれば、資料寄贈の判断はこの評価と明らかに矛盾する。
 他方、一般的に博物館・資料館では所蔵スペースに限界があるなか、寄贈資料が増え、所蔵庫が満杯状態といった問題あり、所蔵資料を定期的に見直し、除籍すること(コレクションマネジメントの整備)が全国的な課題になっている。この問題への関心は私たちも博物館施設を抱えるものとして共有している。
 私たちの考えでは、資料の
除籍で大事なのは手続きである。資料価値を客観的に判断したか、寄贈者(今回のケースでは大島家)の意向を考慮したかなどが大事なポイントとされている。最終的な除籍の判断においては、関係する委員会の承認を得ることなど、担当者が独断で判断を行わない仕組み作りがこれまで議論されてきたところである(栃木県立博物館の「コレクションマネジメント」を参照)。
 ふじみ野市資料館の資料除籍に関する規則は未入手であるが、令和5年度(2023年度)において、ふじみ野市の、資料館運営協議会、文化財保護審議会、教育委員会のいずれの場所でも、大島家文書
について議論した痕跡がない(令和4年度以前についてはふじみ野市HP上に教育委員会以外は掲載されていない)。この状況から、ふじみ野市立大井郷土資料館-教育長はどの関係する委員会にもかけることなく、大島家文書寄贈の文書を発信したと判断される。しかし大島家文書は段ボール箱で500箱を超える大量の資料であり、おそらく大井郷土資料館資料庫で大きなスペースを占めている。上福岡民族資料館との統合により、資料庫のスペース確保の問題が生じたという事情は推測できる。だとしてもこれだけ大量の資料は、考え方によっては市の財産である。その市の財産を関係する委員会での審議を全く経ずに、ただ自身の管理下のものであるからと寄贈という判断をし、資料の取扱を寄贈先に一任するというのは、やや性急であり、市の財産の取扱として透明性と適切さを欠いているのではないか。まずはふじみ野市においては、大島家文書を今後どうするかを、関連する委員会で議論して、方向を出されることが大事ではないか。
 他方で、ふじみ野市の郷土資料館がとくに小学校の見学施設として活用されてきた経緯から、大島家文書のような近現代史の資料の活用がこれまで進まなかったことも想像できる。ただこれは今後の新資料館の展示構想において、近現代史のところを充実させることで変化しうる側面である(ふじみ野市文化財保護審議会での会長発言2023/06/16)。また大島家文書に光をあてた特別展示などをすることで大きく変化する問題でもある。
 私たちとしては、大島家文書が地域資料として、ふじみ野市郷土資料館における所蔵が今後も継続され、また近現代史の資料として活用されることが、望ましいと判断している。東京都江東区にある政治経済研究所は、歳入の多くを個人の寄付収入に依存している公益財団法人であり財政的に豊かではない。また大島家文書を受け入れるための所蔵庫もそもそも保有していない。となると、研究所としても、恒久的な保管については、責任をもてないということになる。市の財産をそうした研究所に寄贈するということでいいのかどうか。
 研究所としては文書の保管をより確実にするためにも、ふじみ野市に、大島家文書の保管の継続をぜひお願いしたい。
ただし政治経済研究所は、大島慶一郎氏からは、1996年に多額の寄付を受けた経緯があり、大島慶一郎氏がふじみ野市に残された大島家文書には、関心を共有して、これまでも、目録作りを支援をしたり、関係する講演会を開催してきた。今後も大島家文書の保存や活用にむけて、ふじみ野市と協力関係を維持したいと考えている。

 栃木県立博物館のコレクションマネジメント 関連規定とその運用 p.9, 17-18
   なお中の文章から判断するとコレクションマネジメントの整備は平成27年2015年とみられる。この資料は文化庁HPにあった。令和5年度全国博物館長会議での発表による 2023/08/04
 増える収蔵品、悩む博物館 朝日新聞デジタル 2021/06/18
   豊島区立郷土資料館資料収集管理要綱 R3   2021/03/27   2条、16-18条
   国立民族学博物館民俗学資料廃棄規則 H17 2005/03/24


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 財務管理論講義パワーポイント第12回 崩壊の予兆 turn around戦略

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太田三郎氏の著述。1948年生まれ。企業の倒産と再生を研究。現在、千葉商科大学客員教授、政治経済研究所理事。

太田三郎 wikipedia
J-Global 太田三郎

論説 倒産しても再チャレンジできる文化こそ、社会の活力を高める 中小企業支援研究 別冊6 2019/09  1

寄稿 千葉商科大学90周年(2018)に向けて  



共編著 経営財務の情報分析 学文社 2015/04

共編著 大震災後に考えるーリスク管理とディスクロージャー 同文舘出版 2013/03

共編著 企業統治と経営行動 文眞堂 2012/09

単著 倒産・再生のリスクマネジメント―企業の持続型再生条件を探る 同文舘出版 2009/08

単著 企業の倒産と再生 同文舘出版 2004/07












Major Writings of Hiroaki Yanagi

栁啓明 やなぎ ひろあき 氏の著述目録 1989年生まれ 法政大学大学院後期博士課程在籍 政治経済研究所理事 早稲田大学歴史館非常勤嘱託 東京医療保健大学非常勤講師 学部時代に弁論部再建に貢献

論説 滝口宏の学知形成と大学の調査研究 十五年戦争期から八重山学術調査における「郷土史」の再編 早稲田大学史紀要 55  2024/03    63-83

論説 19世紀の戦争と先島諸島:日清戦争以前の八重山における開墾事業 政経研究時報 26(3)   2023/12   17-19

報告 19世紀の戦争と先島諸島 日清戦争以前の八重山における開墾事業 公益財団法人政治経済研究所大島社会文化研究室研究会 2023/09/30

報告 旧慣温存政策下における八重山の共同体―調査と開墾にみる「旧慣」強度 アジア民衆史研究会2023年第1回研究会 2023/07/02

論説 琉球・八重山列島の近代から東アジアの植民地主義を透視する 「境域」における資本主義の展開と共同性の葛藤 政経研究時報 21(3)   2018/12   12-15

論説 内地の西端地域 与那国村における民衆間対立 1924~1933年の「自治」に着目して 社会志林 63(4)  2017/03  175-189

共編著 知の史的探求:社会思想史の世界 八千代出版 2017/03
    担当 近代琉球の「境域」と政治文化 201-227 

Major Writings of Masami Saito

斎藤正美(さいとう まさみ)氏の著述目録。東京都立大学で学び、北見工業大学を経て政治経済研究所の業務執行理事、主任研究員。同姓同名者がいる他、名前の正美が同じで斎藤の字の異なる人(斉藤,齊藤,齋藤)がいる。

論説 資本主義的生産様式における労働様式から社会主義的生産様式における活動様式への展開 政経研究 112   2019/06   37-45

論説 社会主義社会の物質的基礎とコンピュータとのかかわり 政経研究 111   2018/12   1-4

論説 「様式」分析による生産様式概念へのアプローチ 政経研究 103   2014/12   42-56

論説 技術の内的発達法則における「機能と方式の矛盾」と「動力と制御の矛盾」の相互関係:「動力と制御の矛盾」論の適用範囲 政経研究 101   2013/12   71-85

寄稿 大学における非常勤講師の状態と労働組合 政経研究 93  2009/11  1-4

論説 紡績技術における内的発達の論理 季刊経済理論 45(1)   2008/04    65-75

論説 通信技術における内的発達法則の探究 政経研究 89   2007/11    68-79

寄稿 大学にしのびよる偽装請負 政経研究 87 2006/11  1-3

論説 船舶技術における内的発達法則ー「労働における動力と制御の矛盾」の貫徹 季刊経済理論 42(1)   2005/04   55-64  

論説 「労働における動力と制御の矛盾」論の深化―石谷清幹氏のボイラー発達史の補完 政経研究 83    2004/11   99-110  

論説 道具の発展と前資本主義的生産様式の区別ー中村義信による中村静治著「生産様式の理論」批判の諸問題 政経研究 78   2002/05  116-133

論説 金子甫によるマルクス国際価値論批判と比較生産費説の「拡張」 經濟と経済学(都立大学) 96   2002/02   47-73

論説 オートメーションと生産様式の移行:世界経済における中小零細企業の進化 日本大学経済学部経済科学研究所紀要 30   2001/03   39-63

論説「価値並びに生産価格の均衡式」の下向分析―井上英雄氏の批判に答えて 政経研究 69  1997/11  175-182

論説 生産価格を集計量で表すことの限界についてー井上英雄氏の「価値並びに生産価格の均衡式」を素材に 政経研究 67   1996/11  109-118

論説 インフレーションとマクロ経済政策―メキシコにおける82,87年インフレーションメカニズムの差異について 政経研究 66 1996/03  30-37

論説 メキシコ経済の「自由化」とNAFTA 經濟「自由化」政策と国民生活への影響 經濟と経済学 74   1993/09  53-77

論説 価値―生産価格体系にける「労働の比重」の貫徹形態ー国際価値論の若干の整理 經濟と経済学 71   1992/03    131-141

論説 世界市場における総労働の不完全性ー国際価値論における価値実体について 經濟と経済学 69  1991/12    45-64

論説 労働生産性・平均的生産性・国民的生産性ー国際価値論における平均的生産性の概念について 經濟と経済学 68   1991/02   35-55

Major Writings of Hisahiko Saito

 齊藤壽彦氏の著述目録 1945年生まれ。1968年慶應大学経済学部卒 大学院に進学し、1974年に千葉商科大学。現在同大学大学院客員教授。公益財団法人政治経済研究所代表理事。点数が多いので、リポジトリで原文にアクセスできるものを主体にして1981年以降で作成した。(斎藤寿彦 齋藤寿彦など同音異字の別人がいる)
論説 金融機関と借り手企業の信頼関係の構築 政経研究時報 26-4   2024/03  10-13

論説 日本の大学における研究水準低下の要因 政経研究時報 26-3   2023/12   15-16

論説 日本銀行の「量的・質的金融緩和」の導入に関する一考察:2%の「物価安定の目標」を中心として 千葉商大論叢 61(1)  2023/07 1-36

書評 「中小企業金融の経済学 金融機関の役割 政府の役割」 中小企業支援研究(千葉商大)10   2023/03   42-43
論説 近年における政策金融の役割:日本政策金融公庫の活動を中心として 千葉商大論叢 60(2)  2022/11  1-55
論説 不換制下における貨幣の一般的受容性の根拠に関する一考察 政経研究 118  2022/06  3-26
論説 信頼、信認、信用の基本構造(Ⅰ):金融論の核心 千葉商大論叢 59(3)  2022/03 1-31
論説 バブル経済崩壊以後の不良債権問題期における金融検査の変革 千葉商大論叢 58(2) 2020/11 1-61
論説 新型コロナウイルス感染と金融機関の事業に対する金融支援 政経研究時報 23(2)  2020/10  8-11
書評 村本孜・内田真人共編著「アベノミクス下の地方経済と金融の役割」 中小企業支援研究(千葉商大)7 2020/03  54-55
論説 地域金融機関の事業性評価融資推進の背景(Ⅰ):金融環境および金融機関業務の変化を中心として 千葉商大論叢 57(1) 2019/07 1-52
報告 財政赤字をめぐって 政経研究時報 22(1)   2019/06   9-13
論説 地域金融機関の事業性評価融資(Ⅱ):事業性評価融資推進方策 千葉商大論叢 56(3) 2019/03  1-42
論説 地域金融機関の事業性評価融資(Ⅰ):事業性評価の仕組みと評価視点 千葉商大論叢 56(2)   2018/11  1-34

パネラー 横浜学「横浜と金融」2017/11/22 より


論説 中小企業金融の現状と課題 中小企業支援研究(千葉商大)4  2017/03  2-9

論説 日本財政の持続可能性に対する信認の構造―財政構造の健全化、財政健全化制度、財政健全化目標を中心としてー 千葉商大論叢 54(2)  2017/03  1-27
論説 地方創生における地域金融機関の役割と課題 CUC view & vision 42 2016/09 38-44
論説 日本銀行のマイナス金利政策とその影響―副作用を中心としてー 千葉商大論叢 54(1)  2016/09 1-27
論説 アベノミクス約3年の評価:第一の矢(大胆な金融政策)を中心として 政経研究 105 2015/12 19-35
論説 近年における日本の金融政策と財政ファイナンス 千葉商大論叢53(1)  2015/09 17-39
単著 近代日本の金・外貨政策 慶應義塾大学出版会 2015/01
同上書評 建部正義 政経研究 105   2015/12    122-129
論説 日本銀行券に対する信認問題:日本銀行の無制限的発行との関係を中心として 経済学論究(関西学院大学) 68(1)    2014/06    51-85
論説 無制限的発行下における日本国債の消化構造 千葉商大論叢 51(1)  2013/09 19-40 
論説 近年における日本国債発行:信用と財政信認の視点から 政経研究 100  2013/06  44-59
論説 東日本大震災発生後1年間における金融上の対策:金融機関の被災企業向け貸出を中心として 政経研究 98 2012/06    25-40
論説 地域密着型金融推進政策 千葉商大論叢 49(2)  2012/03   21-40
書評 熊倉修一「日本銀行のプルーデンス政策と金融機関経営-金融機関のリスク管理と日銀考査ー」2008年 歴史と経済 51(4)    204号 2009/07 
論説 債券信用概念について 三田商学研究 49(6)   2007/01   51-75  
学位 近代日本の金・外貨政策 金本位制下の在外正貨を中心として 慶應大学博士(商学)2006/03/03
論説 イギリスにおける一元的金融監督機関の成立と金融検査・モニタリング 千葉商大論叢 42(3)  2004/12  65-110 
論説 貨幣、金融政策と社会的信認 政経研究 81   2003/11  27-40
論説 日本銀行の銀行保有株式買入 千葉商大論叢 40(4)   2003/03  49-106
単著 信頼・信認・信用の構造:金融核心論 泉文堂 2002/12  その後 改訂版2007/11 3版2007/11が出されている。
論説 貨幣・金融における信用の重要性 政経研究 73   1999/11   3-11
論説 日本銀行考査の成立 創価経営論集 23(2)   1998/11    107-125
論説 郵便貯金資金自主運用の歴史、現状、課題 千葉商大論叢 35(1)   1997/06  127-172
論説 国際信用の崩壊過程-国際環境の悪化と対英米貿易の減少・途絶 千葉商大論叢 30(3)  1992/12  67-104
論説 公信用について 千葉商大論叢 30(1)   1992/06   177-190
論説 日本の銀行の国際金融業務構造とその変化 千葉商大論叢 29(2)   1991/09  15-39
論説 日本の金融自由化の進展と個人利用者 1 千葉商大論叢 29(1)  1991/06  103-124 
論説 The Origins of Japanese Specie Abroad 千葉商大論叢 25(3・4) 1988/03  1-34
論説 日清戦争以後における横浜正金銀行の資金調達ー準備的考察 金融経済 216  1986/07 35-71
論説 日清戦争以後における横浜正金銀行の外国為替業務の発展と信用 三田商学研究 28(6)   1986/02 43-75
論説 横浜正金銀行の本来の外国為替銀行化過程 三田商学研究 28(5) 三田商学研究 1985/12  66-83
論説 1980年代前期における郵便貯金資金運用論議 千葉商大論叢 23(2)  1985/09 66-83
論説 厳重な外国為替管理期における外国為替資金証券の発行 千葉商大論叢 22(1) 1984/06  253-269
論説 厳重な外国為替管理時代の外国為替資金証券 千葉商大論叢 21(3)  1983/12  299-315
論説 外国為替銀行の成立 国際連合大学 HSDRJE-88J/UNUP-489 1983
論説 外国為替銀行の成立 IDE Working Paper 1983
書評 田中生夫「戦前戦後日本銀行金融論策史」(1980)   岡山大学経済学会雑誌 13(4)   1982/03 281-298
論説 金本位制下の在外正貨 国際連合大学 HSDDJE-68J/UNUP-388 1981 
論説 金本位制下の在外正貨 IDE Working Paper 1981


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Profile of Masaki Ina

稲正樹(いな まさき)  稲正樹 wikipedia 1949年生まれ 1973年北海道大学法学部卒 1977年北海道大学大学院法学研究科中退 1994年に北海道大学にて博士号授与。法学博士。 インド憲法の研究:アジア比較憲法論序説 北海道大学博士(法学)乙第4443号 1994...

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