選挙選めぐる訴訟合戦になった斎藤元彦兵庫県知事問題
選挙選出発点の問題は斎藤元彦知事の個人的な資質が知事にふさわしいかであった。しかし選挙選が始まると、斎藤氏が進めた県政の妥当性に論点が移行し、斎藤氏の対立候補である稲村和美氏への容赦のない個人攻撃がそれに続いた。そして2024年11月17日投開票された兵庫県知事選挙で、斎藤氏は勝利を収めた。
結果をみると 斎藤元彦 111.3万票
稲村和美 97.6万票
清水貴之 25.8万票
大澤芳清 7.3万票 などとなっている。
注目したのは、確かに斎藤氏が最多得票であるが、得票率は過半数に達しなかったこと。もう一つ注目したのは、清水貴之氏が26万票近くを獲得していることである。この人は「維新の会」の人物。つまり、前回の知事選で斎藤氏を建てた維新は、稲村氏にも合流せず、独自候補を立て、結果として、反斎藤票を分断したことになるのだろうか。
選挙戦後、公職選挙法に関係する幾つかの論点が浮上した。
一つは、立花孝氏が自身の当選を目的とせず、斎藤元彦氏の応援に徹して「二馬力選挙」を行ったことの妥当性。これは公職選挙法での想定を超えるものとして、法改正に課題を残すことになった。
今一つは、斎藤陣営からPR会社メルチルに払われた報酬が、公職選挙法が定める買収ー被買収に該当するかである。2024年12月2日、斎藤元彦氏に対して公職選挙法違反容疑の刑事告発が行われ、12月16日に地検・県警がこの告発状を受理している。
2025年に入って1月7日、元川西市議の中曾千鶴子なる人物が、選挙選中の2024年11月14日に22の市長が市長会有志として稲村氏支持を表明した行為を、公務員の地位を利用した選挙選での行為を禁止している公職選挙法違反に該当するとして、地検・県警に刑事告発している。調べて見ると、中曾氏は元N党、つまりこの告発の背後には立花氏がいることになる。
結果として、兵庫県知事選挙が公正に行われたかをめぐる議論は、訴訟合戦に陥ったように見える。県外から見ていると兵庫県政は混乱が続いているようにも見える。選挙結果という兵庫県民の選択をどう考えればよいだろうか?
選管が公平性に問題があったと指摘 MBS 2025/01/16
Merchuの問題について 2024/11/22 公職選挙法違反の典型と述べている。