Across the Universe (2007) 女性監督のJulie Taymor (1952-)によるミュージカル映画。全編にわたりビートルーズの音楽を入れている。その歌詞を生かす形で脚本が書かれている。やはり女性監督のJessie Nelson監督のi am sam(2001)も全篇、ビートルーズナンバーだった。 この映画Across the Universeの興行成績は悪かった。またアメリカの一部の映画批評家からは酷評されている。正直少し難解なところや、概念的に作っているところを感じる。しかしこの映画をすごく高く評価する人もいる。評価が分かれている映画である。
La La Landは2016年公開のミュージカル映画。2時間超の長尺だが、3回は通してみただろうか。主人公たちが、結ばれずに終わる展開が、大人の向きの映画に思える。誰でもこの映画を見ると、人生は甘くないということと、いろんな可能性を捨てて現在があることを想うのではないか。劇中何度も登場するのが、グリフィス天文台。La-La Landは不可能なことが現実になる場所、ハリウッドのことだとされる。
ここでは劇中会話から2つの単語を拾う。Shanghai'edとpipe dreamだ。script はThe Internet Movie Script Databaseによった。
一つは主人公の一人ピアニストのSebastian(Ryan Gosling)が姉のLauraに説教される場面で「上海されるShanghai’ed」が出てくる。Sebastianが、「俺が上海されたのは俺がミスしたわけじゃない。It’s not myfault I got Shanghai'ed.」という。Shanghaiedというのは、力づくで何かをさせることをいう。昔、太平洋航路の船員を強引に集めたところから、この動詞ができた。これに対してSebastianの姉さんのLauraは、即座にそうではなくて、騙されたのでしょうyou got ripped offと言い返している。なおLauraの最初のセリフにあるhermitは(宗教的理由などから)孤立して一人でいる人を指す。
Laura: You need to get serious. You live like a hermit. You're driving without insurance. Sebastian: I am serious. I had a very serious plan for my future. It's not my fault I got Shanghai'ed. Laura: You did not get "Sahnghai'ed", you got ripped off.
Gandhi はマハトマ・ガンジー(1869-1948)に関する自伝的映画。1982年公開。リチャード・アッテンボロー監督、ベン・キングスレー主演。3時間を超える長尺であるため、何回かに分けて見て詳細を理解できた。南アフリカでの人権運動。そしてインドでの非暴力不服従(nonviolence and disobedience)の独立運動。さまざまなエピソード(たとえば1919年4月のアムリットサールの虐殺など)がその背景とともによく理解できた。
The Great Wall 米中合作で2016年に公開された映画。主演マット・デイモン 監督はチャン・イーモウ。巨額予算を掛けた映画。タイミングとしては米国での大統領選挙の年。興行成績や映画評は良くなかった。場面場面で意表を突く映像はあり、映像は楽しめる。ただそもそも中国で発明された火薬を求めて、デイモンたちが長城(万里の長城)にたどりつくという出だしから、中国の宣伝映画の臭いがして、息苦しくなる人はいるかもしれない。また面妖な怪獣との闘いが主に描かれるのだが、なかなかその世界観に共感はできない人も多いかもしれない。男女の愛憎も、立場による葛藤もなく、ただ怪獣とのバトルが連続する展開は、正直に言えば幼児向けに見え大人の観客の嗜好には合わない。政治を外して娯楽作品にするとしても、もっと心理描写を中心に作れなかったものか。この心理描写の浅さがこの映画の評価を下げた点ではないか。その意味で、長城で防いでいるものをそもそも怪獣にする必要が逆にあったのかと思わないではない。
Olympus Has Fallen (2013) 2013年公開の米映画。北朝鮮?のテロリストによりホワイトハウスが襲撃され、襲撃によりホワイトハウスが陥落し破壊されるという内容。韓国の首相に随行する警備陣にテロリストが紛れ込み、この韓国首相も混乱の中あえなく殺害される。Olympusはこの映画のなかでは、ホワイトハウスを意味するコードネームになっている。