Major Writings of Yoshihiko Saito

斉藤美彦(よしひこ)氏の著述目録。1955年生まれ。1979年東京大学経済学部卒業後、全国銀行協会、預金保険機構、LSE、日本証券経済研究所、広島県立大学、獨協大学経て2015年より大阪経済大学教授(経済理論 ヨーロッパ経済論)。2020年4月よりyoutubeで動画サイト「目玉オヤジの湖畔生活」を運営。目録作成にあたりresearch map大阪経済大学教員プロフィールを参照した。業績数が極めて多いことから採録を絞った。斉藤さんの意図と離れる可能性はあるが、編集子(福光)が考える関連文献をcf.を付けて参照を指示している(ed.by 福光寛)。

公益財団法人政治経済研究所 現代経済研究室・金融問題研究室共催 講師 斉藤美彦氏 論題「ホモ・クアンティフィカンスと貨幣ー「価値形態論」から「負債論」へ」2024年10月5日(土)午後2時―4時(質疑の関係で延長があります)。



cf.  
Why are banknotes on the liability side of the Bank's balance sheet? (日本銀行HP)

単著 『ホモ・クアンティフィカンスと貨幣―「価値形態論」から「負債論」へ』丸善プラネット 2024/08/30発売

cf. 麻山徹太郎 イングランド銀行の量的緩和とイールドカーブの変化 ジャーナル・オブ・クレジット・ヒストリー 5(1)  2024/06  1-20
cf. 中野剛志ほか『新自由主義と脱成長をもうやめる』東洋経済新報社 2024/03
cf. 江原慶 脱成長貨幣論 F.ソディの貨幣論の批判的検討を通して コモンズ 3  2024/02  109-134   →  江原慶氏の著述目録
cf.    Yoshihisa IWATA, Towards the New Theory of Commodity Money on Inconvertible Credit Money, The Journal of Tokyo Keizai University. Economics, 321, 2024/02, 19-39 

動画 台湾のコンビニ 高雄通信③ 2024/02/15

動画 ホモ・クアンティフィカンスと貨幣 湖畔生活96 2024/02/02
    内生的貨幣供給シリーズ8


論説 ホモ・クアンティフィカンスと貨幣ー「価値形態論」から「負債論」へー 大阪経大論集 74(5)   2024/01  1-16

論説 金融仲介と信用創造 経済学論纂(中央大学)第74巻第3・4号 2024/01  1-21

cf.  小栗誠治 中央銀行通貨を巡るいくつかの誤解 中央銀行の本質を探る観点から 彦根論叢 438   2024/01  66-83   

論説 「不幸な虚偽表示」への異議申し立てーフィリップス型信用創造論の放逐に向けてー 大阪経大論集 74(4)   2023/11 85-101

cf. 田中隆之『金融政策の大転換 中央銀行の模索と課題』慶応義塾大学出版会 2023/11
cf.   服部孝洋 信用創造の範囲及び定義に関するメモ NOTE 2023/11/08

動画 内生的貨幣供給説への到達とその深化:吉田金融論の形成過程 湖畔生活88 2023/10/22


動画 古川顕著「貨幣論の革新者たち」 湖畔生活84 2023/08/31 書評シリーズ15

動画 金井雄一著「中央銀行はお金を創造できるか」 湖畔生活83 2023/08/19  書評シリーズ14

cf. ルパル・パテル、ジャック・ミーニング著 村井章子訳『イングランド銀行公式 経済がわかる10章』すばる舎 2023/08 

論説 内生的貨幣供給説への到達とその深化:吉田金融論の形成過程 大阪経大論集 74(2)   2023/07   1-20    → 吉田曉著述目録

cf.  
深澤映司「中央銀行のバランスシート問題」と日本銀行の新総裁:植田和男氏による過去の発言と近年の実証研究を中心に レファレンス 871 2023/07 1-18
Reference
日本銀行企画局 中央銀行の財務と金融政策運営 2023/12/04
植田和男 中央銀行の財務と金融政策運営 日本金融学会2023年度秋季大会における特別講演 2023/09/30 
河村小百合 中央銀行のバランスシート政策と課題 JRIレビュー Vol.7 No.46 2017   28-75
日本銀行企画局 日本銀行のバランスシートについて 日本銀行の政策・業務との関係 2016/12
日本銀行総裁講演 最近の金融情勢について―中央銀行の役割とバランスシート 1998/12/22
 
cf. @The Economist, How do banks actually create money? We explain 2023/06/12 
cf. 佐久間寛編『負債と信用の人類学:人間経済の現在』以文社 2023/06
cf. 金井雄一『中央銀行はお金を創造できるか―信用システムの貨幣史』名古屋大学出版会 2023/06
cf. 植田和男 金融政策の基本的な考え方と経済・物価情勢の今後の展望ー内外経済調査会における講演 日本銀行 2023/05/19

論説 なぜ先進国中央銀行は貨幣供給の内生性に関する論文を発表したのか 大阪経大論集 74(1) 2023/05   1-21

動画 ユーチューバー3年の総括的検証 湖畔生活71 2023/04/25

cf. 小幡道昭 貨幣変容の構造論 季刊経済理論 60(1)  2023/04  44-50

動画 クナップ「貨幣の国家理論」 湖畔生活68 2023/03/15 書評シリーズ12

動画 デジタルポンドの発行は近いか 湖畔生活66 2023/02/15

論説 イングランド銀行の量的緩和からの出口戦略の変化と量的引締 証券経済研究 121 2023/03

cf. 瀬尾崇 「貨幣の信用理論」の再構築に向けたエコロジー貨幣論からの示唆 大阪公立大学 季刊経済研究 41(1-4)   Winter  2023/02   29-48 
cf.   江原慶 脱成長論のマルクス経済学的検討 大阪公立大学『季刊経済研究』41.1-4 Winter 2023/02 3-28

動画 ダニエル・ドーリング「減速する素晴らしき世界」 湖畔生活64 2023/01/22 書評シリーズ11

動画 エマニュエル・トッド「我々はどこから来て、今どこにいるのか」湖畔生活63 2023/01/04  書評シリーズ10

cf. 若田部昌澄 金融政策の未来:貨幣経済学の歴史に学ぶー景気循環学会第38回大会基調講演ー 日本銀行 2022/12/03

エッセイ 大逆転は生ずるのか? 証券レビュー 62(11)  2022/11

cf. 建部正義 MMT(現代貨幣理論)批判再説 商学論纂(中央大学)64(1・2) 2022/09 31-70
cf. 小野有人 非伝統的金融政策をめぐる論点:斉藤美彦・高橋亘『危機対応と出口の模索 イングランド銀行の戦略』によせて 大阪経大論集 73(2) 2022/07  175-189  


動画 人口高齢化、インフレの再来、不平等の縮小(グッドハート+ブラダン)湖畔生活49 2022/07/06   書評シリーズ7

cf.  早川英男 近年の積極財政論について:MMT派と主流派の異同 東京財団政策研究所 2022/06/06
cf.  早川英男 MMT派の主張を巡って 信用創造の理解と積極財政論 東京大学経友会 2022/05/19
cf. 河村小百合 コロナ危機後の量的引き締め(QT)局面におけるイングランド銀行の金融政策運営:透明なリスク管理の枠組みと政府の連携 JRIレビュー 2022(5)  2-28
cf. 金井雄一『イングランド銀行金融政策の形成』名古屋大学出版会 2022/04(旧版1989)
cf.   岩田佳久 商品集積体と債権化から信用貨幣を導出する新しい価値形態論:orの関係で結び付いた商品集積体を基礎として 季刊経済理論 59(1)  2022/04  55-69

動画 各国中銀の貨幣供給の内生性の説明:その1 イングランド銀行 湖畔生活41 2022/03/23

動画 内生的貨幣供給説に親和的な貨幣理論とは何か 湖畔生活(40)  2022/03/02

cf.   望月慎 Modern Monetary Theory (MMT) と主流派の齟齬と一致を解剖する 経済学雑誌 122(1・2) 2022/03   95-110
cf. 飯田和人 内生的貨幣供給論と信用創造について―信用創造と金融仲介ー 明大商学論叢 104(2)  2022/03   1-16
cf. 早川英男 MMT派の信用創造理解:その貢献と限界 東京財団政策研究所 2022/02/08

動画 BOE(イングランド銀行)のQT(量的引締め)開始 湖畔生活39 2022/02/09

cf. 河村小百合 デジタル・マネーの普及がもたらす銀行システムへの波紋:”新たな地殻変動”へのイギリスの取り組みとわが国への示唆 JRIレビュー 2022(2)   2-41
cf. 二宮健史郎 現代貨幣理論(MMT)と金融の不安定性-一つの批判的検討 季刊経済理論 58(4)   2022/01  7-23
cf. 中島順一郎 日本人が知らない「脱成長でも豊かになれる根拠」 若き経済思想家斎藤幸平が語る貧困解決策 東洋経済online 2021/12/02 
cf.  金井雄一 貨幣の内生性と現代貨幣理論(MMT)における論理不徹底 金融経済研究 44  2021/12  91-113 
cf. Yoshihisa IWATA, Even inconvertible money is credit money. Theories of credit money in Japanese Marxian economics from banknotes  controversy to modern Uno theories,  The Journal of Tokyo Keizai University. Economics, 311, 2021/12, 99-120   


単著 ポスト・ブレグジットのイギリス金融政策・規制・ペイメント 文眞堂 2021/12 226p.

cf.  湯本雅士 MMTをどう考えるかー異端からの挑戦 月刊資本市場433 2021/09 60-72
cf.  近廣昌志 信用論から検討するMMTの是非 愛媛大学経済論集 41(1)  2021/09 45-56

動画    内生的貨幣供給説としての「日銀理論」:再論 湖畔生活27  2021/08/25


論説 「金融化」時代におけるイギリス住宅金融の変化 大阪経大論集 72(2) 2021/07 19-42

研究ノート 内生的貨幣供給説としての「日銀理論」:再論 大阪経大論集 72(2) 2021/07 71-85

動画 イングランド銀行によるバランスシート政策の発見 湖畔生活23 2021/06/30

cf. You Xinmei 価値形態論および貨幣生成論理への再考:宇野経済学における「形態的な同質性」の論理に基づいて 北海道大学経済学博士 2021/06/30
cf. 相沢幸悦 書評 エプシュタイン著 徳永・内藤・小倉訳『MMTは何が間違いなのか?』 証券経済研究 114    2021/06  95-102

論説 イングランド銀行によるバランスシート政策の発見 大阪経大論集 72(1) 2021/05 1-17

動画 デヴィッド・グレーバー「負債論:貨幣と暴力の5000年」 湖畔生活21 2021/05/19 書評シリーズ4


cf. Steven Globerman, A primer on Modern Monetary Theory, Fraser Institute 2021/05/18

動画 ユーチューバー1年の総括的検証 湖畔生活20 2021/05/05

cf. 河村小百合 コロナ禍における米英の金融面での危機対応とわが国の課題:政府・中銀の役割分担の在り方と出口への移行の進展 JRIレビュー 2021(4)   2-40
cf. 大黒弘慈 負債・人間・贈与ー負債経済論とマルクス経済学 社会システム研究 24 2021/03  363-397  

共著 with 高橋亘『危機対応と出口の模索 イングランド銀行の戦略 危機対応により変容する中央銀行の戦略と独立性をとらえ直す試み』晃洋書房 2020/03   224p.

cf. 小野有人 非伝統的金融政策をめぐる論点:斉藤美彦・高橋亘『危機対応と出口の模索 イングランド銀行の戦略』によせて 大阪経大論集 73(2) 2022/07  175-189 

論説 危機とイングランド銀行のバランスシートー新型コロナ危機対応を中心に 証券経済研究 112 2020/12

cf.   西野智彦『ドキュメント日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀』岩波書店 2020/11
cf. 松尾匡 反緊縮経済政策理論の体制変革展望 季刊経済理論 57(1)  2020/04 19-30
cf. 金井雄一 信用の先行と貨幣の内生性ー外生的貨幣供給論に基づく金融政策への疑問 慶應義塾大学経済研究所主催コンファレンスでの報告 2020/01/21
cf. Arkadiusz Sieron, Endogenous versus exogenous money: Does the debate really matter? , Research in Economics, 73(4)  Dec.2019  329-338  
cf.   竹端克利 MMTを巡る誤解と混乱     Financial Information Technology Focus 2019/11  8-9
cf. 佐藤主光(もとひろ) 現代貨幣理論(MMT):妙薬か劇薬か? ジャパン・タックス・インステイチュート あるべき税制に関する委員会第101回合同会議2019/08/01資料
cf.   2019/07/17 衆議院第一議員会館でのシンポ MMTが導く政策転換
  藤井聡 MMTに基づく日本経済政策論 2019/07/17
cf. Noguchi Shuji, Is Japan a ”model” for modern monetary theory? NHK World 2019/07/03
cf. 望月慎 Modern Monetary Theoryの概説 立命館経済学 68(2)  2019/07 62-77
cf. 春井久志 イングランド銀行の独立性:再考 1998年イングランド銀行法後の20年 金融構造研究 41   2019/06   13-26

論説 量的緩和とイングランド銀行財務 証券経済研究 106 2019/06

cf. 市川雅浩 現代貨幣理論(MMT)について 三井住友DSアセットマネジメント 2019/04/19

論説 イングランド銀行による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の検討 証券経済研究 105 2019/03

書評 日本国債の膨張と崩壊:日本の財政金融政策:代田純著 季刊経済理論 55(2) 2018/07

共著 『第3版 現代経済の解説』御茶ノ水書房 2017/09 412p.
    担当箇所 金融システムの変容と金融の再編 203-226

cf. 河村小百合 中央銀行のバランス・シート政策と課題 JRIレビュー 2017(7) 28-75
cf. 黒田東彦 「期待」に働きかける金融政策:理論の発展と日本銀行の経験ーオックスフォード大学における講演の邦訳 日本銀行 2017/06/08 


論説 イングランド銀行の量的緩和からの出口戦略 証券経済研究 98  2017/06

cf. 山口重克『経済原論講義』東京大学出版会 2017/04(初版1985)
cf.   Deutsche Bundesbank, The role of banks, non-banks and the central bank in the money creation process, Monthly Report, April 2017 
cf. 森川央 書評:負債論ー貨幣と暴力の5000年 国際通貨研究所 Newsletter 2017/04/01 

論説 イギリスにおけるデビットカード利用の急伸について 証券レビュー 56(12) 2016/12

cf. デヴィッド・グレーバー『負債論-貨幣と暴力の5000年』以文社 2016/11
cf. Michael Kumhof and Zoltan Jakab, The Truth about Banks, Finance and Development (IMF),  March 2016
cf. Banque de France, Who creates money?, 2016 June
cf. 河村小百合 欧州各国の中央銀行にみるマイナス金利による金融政策運営の仕組みと考え方 JRIレビュー 2016(6)  110-139

学会報告 イングランド銀行の量的緩和政策 日本金融学会2016年春季大会 中央銀行パネル 2016年5月15日


cf. 小幡道昭 マルクス経済学を組み立てる 経済学論集 (3)  2016/01  2-30 
cf. 河村小百合 諸外国におけるインフレーション・ターゲティングをめぐる経験 JRIレビュー 2015(10)
cf. 横山昭雄『真説 経済・金融の仕組み』日本評論社 2015/09
cf. 山口義行 信用創造と金融仲介:バブル経済を理解するための理論的基礎 立教経済学研究 69(1)   2015/07   25-53

論説 混乱しつつも出口を模索するイングランド銀行の金融政策 CUC View & Vision No.39 2015/03

論説 カーニー体制下のイングランド銀行金融政策 証券経済研究 90 2015/06

cf. 山口重克 マルクス恐慌理論の全体像と今日的有効性 季刊経済理論 51(3)  2014/10  44-53
cf. 河村小百合 海外主要中央銀行による非伝統的手段による金融政策運営と課題 JRIレビュー 2014(9)  50-87

論説 イギリスにおける金融危機と国債管理政策 経済学論究(関西学院大学)68(1) 2014/06 87-110

単著 『イングランド銀行の金融政策』金融財政事情研究会 2014/06  202p.

cf. 建部正義 国債問題と内生的貨幣供給理論 商学論纂(中央大学)55(3)  2014/03  597-622  

cf. Michael McLeay, Amar Radia and Ryland Thomas, Money Creation in the Modern Economy, Quarterly Bulletin of the Bank of England, 2014Q1, 14-24 

cf.   Money Creation in the Modern Economy, QB BOE, 2014/03/12


cf. 金井雄一『ポンドの譲位 ユーロダラーの発展とシティの復活』名古屋大学出版会 2014/01

講演 イングランド銀行の量的緩和政策の評価と今後の展望 証券セミナー2013/07/12

cf. 山口重克 資本主義の不純化と多様化―小幡道昭の批評に答える 季刊経済理論 50(2)   2013/07  56-68

学会報告 イングランド銀行の量的緩和政策と国債 証券経済学会第79回全国大会 2013/06/16

論説 量的緩和政策の日英比較 証券経済研究 82    2013/06  

cf. 春井久志『中央銀行の経済分析 セントラル・バンキングの歴史・理論・政策』東洋経済新報社 2013/03

学会部会報告 量的緩和政策の日英比較 日本金融学会北海道部会 2013/03/30

cf.   高橋亘 「日銀理論」批判を考える(1)   DP2013-J01  神戸大学経済経営研究所 全12p  2013/03/15改訂
cf. 岩田規久男 なぜ、日本銀行の金融政策ではデフレから脱却できないのか 経済研究所年報(成城大学)25  2012/04  7-41

論説 国債累増と金融システム・中央銀行 経済研究所年報(成城大学)25 2012/04 43-69

cf. 松村圭一郎 負債とモラリティ 現代思想 40(2)  2012/02  218-231

論説 世界金融危機とイギリス預金補償制度 証券レビュー 51(9) 2011/09

論説 金融危機下のイングランド銀行金融政策 宇野理論を現代にどう活かすか Newsletter 2期5号 通巻17 2011/08/30

cf. 春井久志 世界金融危機とイングランド銀行の量的緩和政策 証券経済研究 72  2010/12  27-48

論説 世界金融危機下のイギリス金融機関 信用理論研究 28  2010/12   27-47

論説 グローバル金融危機下の日本銀行金融政策 中央大学経済研究所年報 41 2010/10 91-116

書評 代田純『新版図説 やさしい金融財政』 駒澤大学経済学論集 42(1)  2010/09  71-74

論説 The Bank of Japan's Monetary Policy during the Global Financial Crisis 証券経済研究 71 2010/09  

cf. 櫻井毅 山口重克 柴垣和夫 伊藤誠編著『宇野理論の現在と論点ーマルクス経済学の展開』社会評論社 2010/07

共著 with 梁田優『イギリス住宅金融の新潮流』時潮社 2010/06   240p.

講演 金融危機下のイングランド銀行金融調節 証券レビュー 50(3) 2010/03

講演  金融危機下のイングランド銀行金融調節 証券セミナー 2010/02/25

cf. 春井久志 中央銀行と金融システムの安定性 グローバル化の下でのイギリスを中心に 経済学論究 63(3)  2009/12  179-209

共著 with 須藤時仁『国債累積時代の金融政策』日本経済評論社 2009/10 225p.

論説 中央銀行の独立性強化とアカウンタビリティーイギリスと日本を中心にー 獨協経済 87 2009/09   45-57

cf. 山口重克『現実経済論の諸問題』御茶の水書房 2008/12
cf. 吉田曉 内生的貨幣供給と信用創造 経済理論 45(2)  2008/07  15-25  

共著 with 梁田優 ノーザンロック危機と監督機関の対応 証券経済研究 62 2008/06

書評へのリプライ 内生的貨幣供給説と中央銀行の金融調節 経済理論 44(3)  2007/10 93-95 

cf. 伊藤武 いわゆる内生的貨幣供給についてー吉田曉氏の見解についてー 大阪経大論集 57(6)   2007/06    109-124   

論説 イングランド銀行の金融調節方式の変更(2006年)について 証券経済研究 58 2007/06

講演 FSA体制下の補償制度とオンズマン制度ーイギリスにおける金融消費者保護と紛争処理システムを巡ってー 証券セミナー 2007/03/23 

論説 国債累積と金融システム 季刊経済理論 43(3)  2006/10 15-26

単著 『金融自由化と金融政策・銀行行動』日本経済評論社 2006/09 259p
cf. 書評 木村二郎 季刊経済理論 44(1) 2007/04   80-82
cf. 書評ヘのリプライ 斉藤美彦 季刊経済理論 44(3)  2007/10   93-95
          内生的貨幣供給説と中央銀行の金融調節(既掲)

論説 イギリス住宅金融とマイルズ・レポート 証券経済研究 50 2005/06 

cf. 小谷野俊夫 貨幣の創造をどう教えるか 金融学会春季大会報告 中央銀行パネル 金融システム・金融政策などをめぐる教育の現状 2005/05/28

共著 with 陳迅  「量的緩和」後の金融政策 証券経済研究 49 2005/03

cf. 山口重克『新版 市場経済 歴史・思想・現在』名古屋大学出版会 2004/10 
cf. 浜田宏一・原田泰・内閣府経済社会総合研究所共編著『長期不況の理論と実証―日本経済の停滞と金融政策』東洋経済新報社 2004/07

シラバス 獨協大学経済学部2004年度シラバス 金融経済論a  p.115 pdf 135; 金融システム論a p.116 pdf 136

cf. 金井雄一『ポンドの苦闘 金本位制とは何だったのか』名古屋大学出版会 2004/02
cf.  吉田曉 信用創造と信用貨幣 小林貞之氏他の批判に答える 武蔵大学論集 51(2)  2003/12   33-57
cf. 山口重克編著『東アジア経済―多様性と可能性』御茶の水書房 2003/02

論説  イギリスにおける金融サービス補償制度の統合 証券経済研究 42 2003/06

cf. Thomas I.Palley, Endogenous Money: What is it and why it matters, Metroecnomica 53(2) May 2002   152-180 
cf. 吉田曉『決済システムと銀行・中央銀行』日本経済評論社 2002/04
cf. 内藤敦之 内生的貨幣供給とファイナンス 一橋論叢 125(6)   2001/06  138-153 
cf. 山口重克 小野英祐 吉田曉 佐々木隆雄 春田素夫『現代の金融システム:理論と構造』東洋経済新報社 2001/03 
cf. 山口重克『金融機構の理論の諸問題』御茶の水書房 2000/12

論説  内生的貨幣供給説としての日銀理論ー量的緩和論批判に至る系譜 広島県立大学論集 4(1)  2000/08    53-71

cf.   山口重克 不換制下の信用創造 国士舘大学政経論叢 12(1)  2000  17-44
cf. 春井久志 中央銀行の最後の貸し手機能と金融監督機能 経済学論究 53(3)  1999/12  161-202
cf. 山口重克 純粋資本主義における信用創造 国士舘大学政経論叢 11(4) 1999 121-142 
cf. 山口重克 貨幣生成論にたいする批判の検討 国士舘大学政経論叢 11(3)  1999 79-124

共著 with 須藤時仁 メインバンクとコーポレート・ガバナンスー都市銀行による企業審査・モニタリングの実際についてー 証券経済研究 22 1999/11

単著 『イギリスの貯蓄金融機関と機関投資家』日本経済評論社 1999/09   242p.

cf. 小幡道昭編著『貨幣・信用論の新展開』社会評論社 1999/07

論説 チリ年金制度改革と証券市場 証券経済研究 20 1999/07

cf. 春井久志 金融政策レジームとイングランド銀行法改正 商学論究 46(3) 1999/03 1-40
cf. 松本直樹 内生的貨幣供給と日本の金融政策 追手門経済論集 33(1)  1998/05 77-99

論説 ヨーロッパにおけるバンカシュアランス 証券経済研究 10 1997/11  41-56

論説 イギリスの年金制度の歴史的展開と近年の改革の流れ 海外社会保障情報 1997/06 13-25

cf. 春井久志 中央銀行機能の生成・発展 経済学論究 51(1)  1997/04  83-109

論説 近年の英国住宅金融組合の動向 証券経済研究 6  1997/03

cf. 春井久志 金融自由化・国際化と金融システムの安定化 イギリスのセカンダリーバンク危機を中心に 経済学論究 49(4) 1996/01   1-37

単著 『リーテイル・バンキングーイギリスの経験』時潮社 1994/02 200p.

cf. 岩田規久男『金融政策の経済学-「日銀理論」の検証』日経BPM 1993/08

認知症 dementia

dementia 認知症。ディメンシャ。脳細胞の働きが悪くなって、記憶、言語、問題解決などの能力が失われること。多くはAlzheimer’s disease=アルツハイマーズと呼ばれる病気が原因で発症する。Alzheimer’sのメカニズムについては完全に解明されておらず、不明な点が多いが、進行性の病気progressive diseaseで、時間の経過とともに症状が悪化する。そのためAlzheimer'sについては、決定的な治療法が存在せず、進行を効果的に遅らせるができないとされてきた。そのため自身や家族がアルツハイマーAlzheimer'sだと診断されると、絶望的に感ずる人も少なくない。認知症については、このほか脳血管性認知症vasculer dementiaなど、アルツハイマー以外が原因となるケースもある。

 アルツハイマー 新治療薬について 2023年1月16日

 認知症は身近な話題である。65歳以上になると発症の確率があがり、85歳以上では4人に一人の割合で発症する。有名人では、たとえばイギリスで首相を務めたMargaret Thatcher(マーガレット・サッチャー1925-2013 首相在職は1979-1990)そしてアメリカで大統領を務めたRonald Wilson Reagan(ロナルド・レーガン1911-2004 大統領在職は1981.1.20-1989.1.20)。この二人がいずれも退職後に認知症を患ったことはよく知られている。

Doctor Opinion: What a doctor sees when Joe Biden hesitates-Dementia  Doctor Mike Hansen 2024/06/28


loss of train of thought   言おうとしていたことを忘れる
precursor  前兆
mci:mild cognitive impairment 軽度認知障害
antihistamine 抗ヒスタミン薬

      autism   Baumol's cost disease   bullshit job capital flight 
      China as a dystopia  choke point   coffee and urinary stone
  dementia   digital Leninism   hysteresis inclusive marketing 
  interstitial pneumonia  job type employment  
  market Leninism   menopause  osteoarthritis  peer pressure
 presbyopia  schizophrenia   stationary state subarachnoid hemorrhage 
  US-China decoupling Z-generation  


Doctor Keiichiro Ohshima

大島慶一郎(1908-1996)と大島慶一郎関係文書に関する資料

診療所の歴史(医療生協さいたま大井協同診療所の歴史)
 1945   社務所での大島医師の診療開始
 1946   健康保険組合大井医院開設 院長 大島慶一郎
 1949   閉鎖に対し裁判闘争始まる
 1950 川越診療所開設
 1951 富岡診療所開設
 1952   裁判闘争に勝利し施設を買い取る

医療生協さいたま 秩父生協病院の全日本民医連の紹介ページ
   埼玉県の民医連の事業所一覧 住所・連絡先も掲載

所沢診療所 創立70周年ちらし 1953年9月1日に大島慶一郎医師を初代所長に迎えて所沢診療所が創立されたので、2023年9月で70周年を迎えたと伝えている ひこうき雲(医療生協さいたま) 2023 No.9

医療生協の歴史と沿革(日本医療福祉生活協同組合連合会HP)

cf. 記念誌「医療生協さいたま 合併30年の歩み」医療生協さいたま30周年事業実行委員会 2023/02
   この記念誌冒頭の記事により、埼玉県民主医療機関連合会の大会決議により医療生協化と組織統一が進められてきたことが分かる。つまり、民医連が医療生協化・組織統一を推進するという関係性にあることが理解される。そして1992年に県内の医療生協は統一され、「医療生協さいたま」がスタートしている。

政治経済研究所大島社会・文化研究室報告 大井医院・大島慶一郎関係資料の意義と展望ー地域に残る戦後史資料の可能性を考える 報告 鬼嶋淳 専修大学文学部教授 2022/03/01 peatix
報告要旨 2001年に大井医院は解体され、大島慶一郎関係資料は、ふじみ野市立大井郷土資料館に運ばれた。資料の調査・整理・目録作りが行われ、2023年に目録が刊行される見込み。資料は3つの資料群に分けられる。1)戦後医療運動に関する資料、2)地域政治関係の資料、3)地域関連の資料 である。ほかに大島個人に関する資料があり、総数はダンボール箱で500箱以上。

政治経済研究所大島・社会文化研究室報告の告知 2022/02/01付け
報告要旨 および 主催主旨(事務局)


鬼嶋淳『戦後日本地域形成と社会運動―生活・医療・政治ー』日本経済評論社 2019に対する坂口正彦(大阪商業大学)の書評 歴史と経済 250 2021/01  62-64

cf.  鬼嶋淳 戦後地域における「デモクラシー」研究の課題と方法『部落問題研究』231  2020/02   26-31
cf.  『学習ブックレット 民医連の綱領と歴史』保険医療研究所 2019/03

ふじみ野市平成30年度(2018年度)事務事業評価シート 大島家文書の扱いについてはpp.19-20  評価日 2019/04/05  目録作成に向けた整理業務が記録されている 大島家文書については「戦後大井地域の歴史、とくに地域医療活動を知る上で重要」と記されている。

科研成果報告書「戦後日本における医療運動の展開と地域社会形成に関する実証的研究」2018/06/13提出 研究期間2013/04/01-2018/03/31  鬼嶋淳 佐賀大学准教授
 1950年代における農村医療運動の展開と地域社会 部落問題研究 205 124-156
   大井医院・大島慶一郎関係資料目録 埼玉県ふじみの市立大井郷土資料館

権田圭助サンのインタビュー(取材時88歳)MIN-IREN トピックス 2017/11/30
 戦後18歳で日本電気に就職。党員を理由にレッドパージで失職。警察に追われる中、改名して大井病院で集金係として働く。取材時、レッド・パージ反対全国連絡センター事務局次長。大島医師の献身的な医療活動を伝えている。

医療生協さいたま生活協同組合HP 2016/08/19 「大井診療所70周年のつどい」2016/08/27開催の案内 午後の講演 佐賀大学准教授 鬼嶋淳 先生「戦後大井村における農村医療運動―大井医院の出発」 

医療生協さいたま生活協同組合Press Release 2016/08/19  大井診療所70周年のつどい 2016/08/27 開催の案内 開設時と現在の大井診療所の写真あり

鬼嶋淳 一九五〇年代における農村医療運動の展開と地域社会:埼玉県大井医院を中心にー 『部落問題研究』205  2013/06  124-156
cf. 全日本民医連『無差別・平等の医療をめざして 上下』保険医療研究所 2012/02

cf. 鬼嶋淳 1970年代における空襲・戦災記録運動の展開ー東京空襲を記録する会を中心にー 『日本史研究』34  2008   94-113 

鬼嶋淳 戦時・戦後の保健医療問題と農村社会 日本史研究 32  2008 94-113

ふじみ野市の成立(上福岡市と大井町が合併)2005年(平成17年)10月1日
大井町立郷土資料館はふじみ野市立大井郷土資料館に改称

さいたま民医連50周年記念集会 2004 /01/24 来賓・OB挨拶 権田圭助氏の話の中で、健康保険組合と大島氏が対立して、大井医院の閉鎖をめぐって争いが起きたことが説明されている。

吉田健二「民主評論の創刊と編集・経営事情(1) 占領期の左翼雑誌」『大原社会問題研究所雑誌』 489   1999/08   19-34
ここで大島慶一郎について、大島は有賀新と第一高等学校時代以来の友人であり、大島は1945年1月に東京都駒込社会保険病院内科部長を辞めて、農村医療に従事するため埼玉県入間郡大井町に転居した。その転居の前後や終戦直後に上京の際に有賀と会って、有賀から政治雑誌創刊の意図を聞いているとする。創刊の意図は、大衆にデモクラシーを普及確立することにあり、読者対象も広く大衆を想定していたと。pp.22-24 なお吉田は典拠は1991年1月21日に大島の自宅で行った聞き取りにあり、その詳細は、大原社会問題研究所雑誌395号と397号に発表済で、この箇所は397号ですでに発表した部分だとしている。

増岡敏和『大島慶一郎医師風雲伝:二十四時間は患者のもの』政治経済研究所 1998/10 
注釈で大島について生協医療運動家で、埼玉県議会議員を3期務めたとある。なお政治経済研究所の刊行とあるが、現在の公益財団法人政治経済研究所のHPには、本書に関する情報はなかった。なお増岡氏は民医連で医療史に関わる著述がある。『所沢市文化振興ビジョン』2018/0
1において増岡氏は、所沢にゆかりのある著述家の一人として紹介され、そこに『大島慶一郎医師風雲伝』が著述の一つとして紹介されているp.63。


松島春海 追悼 大島慶一郎名誉顧問 大島久保記念医療文化研究所のことなど 政経研究 68  1997/05   37-39

大島慶一郎氏に聞く 民主評論と有賀新 下 法政大学大原社会問題研究所雑誌 397 1991/12  54-63

大島慶一郎氏に聞く 民主評論と有賀新 上 法政大学大原社会問題研究所雑誌 395
1991/10  59-69

大井町史編纂委員会『大井町史 資料編3-2(現代)』大井町, 1989/08 (国会図書館デジタル化資料)この資料はデジタル化されており国会図書館の利用者カードがあれば、自宅から全文検索できる。本書には「大井医院の十九年の医療活動」と題した資料が納められている。これは全国民医連第11回総会の討議資料として埼玉民医連が提出したもので、大島慶一郎氏所蔵資料とある(pp.166-174)。活動を通して学んだこととして記されていることなどが参考になる。なおこの資料で大島は大井での診療について、当初は東京の病院に通勤しながら、朝夕患者を診ることでスタートしたと説明している。 

大井町立図書館と大井町立郷土資料館が併設施設として同時に開館 1988

大島慶一郎 大井町国保の現状と運動 『賃金と社会保障』922  1985/09/25  26-27

全日本民主医療機関連合会歴史編纂委員会編著『民医連運動の軌跡』全日本民主医療機関連合会 1983/12  (国会図書館デジタル化資料)この資料はデジタル化されており国会図書館の利用者カードがあれば、自宅から全文検索できる。大井医院の闘争が、税金の取り立てに反対するものでもあったことなど詳しく書かれている(pp.84-87)。全日本民主医療機関連合会の発足(1953年)にあたり、大島が二人の副会長のうちの一人に就任したこと(p.115)。その後、活動の空白県をなくすため(1955年)、茨城と山梨に大島自らが出向いたこと(pp.150-151)。文化大革命渦中の中国に第三次訪中団の団員として訪中したこと(1964年9月―10月 pp.268-269)が記録されている。

埼玉県議会選挙・旧西第7区 9回(1979/04)-17回(2011/04)
    大島慶一郎氏は9回1979/04と10回1983/04に出馬。9回は8394票で当選。10回は8481票となるも落選。以後、共産党はこの区で議席を得ていない。区割りは第15回までは大井町、三芳町。

cf. 増岡敏和『民主医療運動の先駆者たち』全日本民主医連本部 1974/01


参考  ふじみ野市の発表資料等

  ふじみ野市議会の構成
 2023/04/23選挙結果 定数21   党派別 共産 4 公明 4 自民 3 立民 1   参政 1    維新 1  無所属 7。(自民などが登場。共産は候補者を4に絞っている)
 2019/04/21選挙結果 定数21  党派別 共産 5 公明 4 立憲 1 無所属 11。
    2015/04/26選挙結果 定数21  党派別 共産 5 公明 4 民主 1    無所属 11。  

    参考 ふじみ野市地域の医療と介護を守る条例 2023/04/01施行

 ふじみ野市大井郷土資料館の過去の展示会テーマ一覧(ふじみ野市HP)
 いわゆる日本史をテーマにしたものがほとんどで「大井医院・大島慶一郎関係資料」を扱った展示会が行われたことがない。
 大井郷土資料館の展示室・事務室・所蔵庫の現状(ふじみ野市HP)
 常設展示を旧大井村役場で、特別展をふじみ野ステラウェスト(図書館や大小ホール、ギャラリーなどがある複合文化施設)で行っている。他方、事務室・所蔵庫を旧商工会館に置いている。また市民からの資料寄贈を募集している。
 大井郷土資料館刊行物(ふじみ野市HP)
 収蔵資料目録の非売品のところ。2013年7月刊として「大井医院・大島慶一郎関係資料目録Ⅰ」が掲げられている。所蔵資料として認識していることを示している。

 なお、ふじみ野市は大島家文書について、ふじみ野市平成30年度(2018年度)事務事業評価シート において(大島家文書の扱いについてはpp.19-20  評価日 2019/04/05  目録作成に向けた整理業務を記録)「戦後大井地域の歴史、とくに地域医療活動を知る上で重要」と評価している(p.20)。

   令和5年度第1回ふじみ野市資料館運営協議会会議録 2023/05/25 (ふじみ野市HPでは前年度の会議しか見れないので注意が必要)この会議録では大井郷土資料館の移転の経緯、今後、 上福岡歴史民俗資料館との統合で資料調整の可能性、大井郷土資料館に市民団体?の大井歴史研究会が存在すること、資料館の役割として小中学校の教育での利用が考えられていること、などが読み取れる。保存スペースは限られているとしつつ、除籍を進めるという考え方は読み取れない。大島家文書については言及がない。

 令和5年度第1回ふじみ野市文化財保護審議会会議録 2023/06/02  諮問を受けて二つの資料館の統合について議論が行われている。焦点の一つは、上福岡歴史民俗資料館で活動している市民グループの問題。規模については合わせて(郷土資料館と図書館の意味か)2000㎡という数値が出ている。

 
令和5年度第2回ふじみ野市文化財保護審議会会議録 2023/06/16  答申案が示されそれを巡って議論が進んでいる。最初に複数の委員からこの機会に資料館ではなく、博物館を目指すべきとの意見が強くだされたが、議長である会長がそれを明記することは制約になるとまず否定したが、最終的には構想を進めてゆく中で(意見がでたことを)加味したいとしている。議論のなかで、小学生だけでなく多様な年代、多様な人々の利用を想定すべきとの声が出た。議論の終盤で会長は「ふじみ野市には戦中や戦後復興時の資料が豊富にありますので、新しい資料館の展示構想にはぜひ近現代史を」加えて欲しいとし、近現代史を扱う「歴史総合」が高校の必修科目となったことを踏まえて「近隣の高校からの利用」を展示構想に、反映することをも訴えている。 

 令和5年度第7回ふじみ野市定例教育委員会会議録 2023/07/18  教育委員会で資料館の統合を議論しているのは令和5年度中はこの会議だけである。5月25日の資料館運営協議会での議論を受けて、ふじみ野市文化財保護審議会から「ふじみ野市立上福岡歴史民俗資料館及び大井郷土資料館の統合について」と題した答申が出されたとして、この答申についての報告と議論が行われている。議論されているのは上福岡歴史民俗資料館の資料館友の会に今後どのように活躍の場を与えるかについて。大島慶一郎関係文書を始め、資料の問題は議論されていない。

 2023年11月大井郷土資料館は旧商工会館大井支所に移転。旧大井村役場をふじみ野の歴史を学べる展示施設として2023年10月に一般公開。市報ふじみ野 2023/08 p.14 

   令和5年度第2回ふじみ野市資料館運営協議会会議録 2023/10/16 この会議で大井郷土資料館の大規模改修工事のスケジュール、改修後の展示コンセプトなどが説明されている。大島慶一郎関係文書については言及がない。

   2023年11月入札情報(ふじみ野市HP) 2023/11/10  仮称大井郷土資料館大規模改修工事設計業務委託 一般競争入札 設計額 33,695,000円    落札業者 株式会社ユニマート設計事務所 落札価格 20,217,000円

ふじみ野市広報紙が市立大井郷土資料館は2026年9月頃にリニューアルを広報 2024/02 
    ステラウェストに大井図書館が移転したスペースを有効活用するため、上福岡歴史民俗資料館と大井郷土資料館を統合し、市の歴史文化を総体的に学べる新たな資料館として令和8年(2026年)9月頃にリニューアルします。市報ふじみ野  2024/02 p.5最下段記事 

 特集 資料館 訪ねてみよう ふじみ野市の歴史へ 2024/02/01  ふじみ野市広報 作成者不明 市として資料館の意義をどのように認識して、広報したかを示す記事

令和5年度第3回ふじみ野市資料館運営協議会会議録 2024/02/16  新資料館の在り方が議論され、離接する文京学院大学との連携により、若い世代を誘致することが課題とされている。現状は小中学校が利用の主体。大島家文書については言及がない。

ふじみ野市立大井郷土資料館が教育長朝倉孝名の公文書を政治経済研究所に宛て発信(
ふ大郷第524号2024/03/26付)主な内容はー大島家文書のすべてを政治経済研究所に寄贈する。作業に関わる経費をすべて政治経済研究所が負担。搬出期限は2024/06/30。寄贈後の資料の取扱は研究所に一任。 

ふじみ野市広報紙が資料館整備を広報。2024/05  内容はー新たな資料館を整備します。大井郷土資料館と上福岡民族資料館を統合して市の歴史・文化を学べる新たな資料館とするため、旧大井図書館・大井郷土資料館の大規模改修を行います。令和6年度(2024年度)は展示設計を行います。市報ふじみ野 2024/05 

   2024年5月入札情報(ふじみ野市HP) 2024/05/10  仮称大井郷土資料館大規模改修工事に伴う展示設計業務委託 指名競争入札 設計額 24,890,000円

連絡先 埼玉県ふじみ野市福岡1-1-1   ふじみ野市市役所 049-261-2611
    市長  高畑 博(ひろし)
    教育長 朝倉 孝
               ふじみ野市文化財保護審議会会長 松尾 鉄城(てつき)

連絡先 医療生協さいたま生活協同組合 理事長雪田慎二 1992/04/01設立 333-0831 川口市木曽呂1317  084-294-6111 info@mcp-saitama.or.jp

大島家文書に関するふじみ野市の姿勢と政治経済研究所の今後の対応について
 前提として、ふじみ野市資料館の資料管理の仕組みを理解するために、ふじみ野市の関連する条例などが必要だが未入手である。必要に応じて開示請求の必要がある(ふじみ野市資料館条例、ふじみ野市資料館条例施行規則、ふじみ野市資料館の資料に関する規則:ふじみ野市HPからうまく検索できず)。
 
ふじみ野市が政治経済研究所に送付した文書(ふじみ野市教育委員会教育長名 しかし発信はふじみ野市立大井郷土資料館 ふ大郷第524号2024/03/26付)がこうした資料管理の仕組みに沿ったものかどうかは、今後、これらの関連規則を入手して、十分検討する必要がある。
 現時点で、ふじみ野市が大島家文書について除籍の判断をしたとまでは、断定できない。現状HP上に資料館所蔵資料の目録に2013年刊行の「大井医院・大島慶一郎関係資料目録Ⅰ」が掲げられている。
 また平成30年度(2018年度)の事務事業評価シートが入手できたが、これによれば戦後大井地域の歴史、とくに地域医療活動を知る上で重要」であると、大島家文書は評価されている。ほかの年度の事業評価シートも入手できれば、評価が固定しているか変化しているか判断できる。もし評価が変更されていないのであれば、資料寄贈の判断はこの評価と明らかに矛盾する。
 他方、一般的に博物館・資料館では所蔵スペースに限界があるなか、寄贈資料が増え、所蔵庫が満杯状態といった問題あり、所蔵資料を定期的に見直し、除籍すること(コレクションマネジメントの整備)が全国的な課題になっている。この問題への関心は私たちも博物館施設を抱えるものとして共有している。
 私たちの考えでは、資料の
除籍で大事なのは手続きである。資料価値を客観的に判断したか、寄贈者(今回のケースでは大島家)の意向を考慮したかなどが大事なポイントとされている。最終的な除籍の判断においては、関係する委員会の承認を得ることなど、担当者が独断で判断を行わない仕組み作りがこれまで議論されてきたところである(栃木県立博物館の「コレクションマネジメント」を参照)。
 ふじみ野市資料館の資料除籍に関する規則は未入手であるが、令和5年度(2023年度)において、ふじみ野市の、資料館運営協議会、文化財保護審議会、教育委員会のいずれの場所でも、大島家文書
について議論した痕跡がない(令和4年度以前についてはふじみ野市HP上に教育委員会以外は掲載されていない)。この状況から、ふじみ野市立大井郷土資料館-教育長はどの関係する委員会にもかけることなく、大島家文書寄贈の文書を発信したと判断される。しかし大島家文書は段ボール箱で500箱を超える大量の資料であり、おそらく大井郷土資料館資料庫で大きなスペースを占めている。上福岡民族資料館との統合により、資料庫のスペース確保の問題が生じたという事情は推測できる。だとしてもこれだけ大量の資料は、考え方によっては市の財産である。その市の財産を関係する委員会での審議を全く経ずに、ただ自身の管理下のものであるからと寄贈という判断をし、資料の取扱を寄贈先に一任するというのは、やや性急であり、市の財産の取扱として透明性と適切さを欠いているのではないか。まずはふじみ野市においては、大島家文書を今後どうするかを、関連する委員会で議論して、方向を出されることが大事ではないか。
 他方で、ふじみ野市の郷土資料館がとくに小学校の見学施設として活用されてきた経緯から、大島家文書のような近現代史の資料の活用がこれまで進まなかったことも想像できる。ただこれは今後の新資料館の展示構想において、近現代史のところを充実させることで変化しうる側面である(ふじみ野市文化財保護審議会での会長発言2023/06/16)。また大島家文書に光をあてた特別展示などをすることで大きく変化する問題でもある。
 私たちとしては、大島家文書が地域資料として、ふじみ野市郷土資料館における所蔵が今後も継続され、また近現代史の資料として活用されることが、望ましいと判断している。東京都江東区にある政治経済研究所は、歳入の多くを個人の寄付収入に依存している公益財団法人であり財政的に豊かではない。また大島家文書を受け入れるための所蔵庫もそもそも保有していない。となると、研究所としても、恒久的な保管については、責任をもてないということになる。市の財産をそうした研究所に寄贈するということでいいのかどうか。
 研究所としては文書の保管をより確実にするためにも、ふじみ野市に、大島家文書の保管の継続をぜひお願いしたい。
ただし政治経済研究所は、大島慶一郎氏からは、1996年に多額の寄付を受けた経緯があり、大島慶一郎氏がふじみ野市に残された大島家文書には、関心を共有して、これまでも、目録作りを支援をしたり、関係する講演会を開催してきた。今後も大島家文書の保存や活用にむけて、ふじみ野市と協力関係を維持したいと考えている。

 栃木県立博物館のコレクションマネジメント 関連規定とその運用 p.9, 17-18
   なお中の文章から判断するとコレクションマネジメントの整備は平成27年2015年とみられる。この資料は文化庁HPにあった。令和5年度全国博物館長会議での発表による 2023/08/04
 増える収蔵品、悩む博物館 朝日新聞デジタル 2021/06/18
   豊島区立郷土資料館資料収集管理要綱 R3   2021/03/27   2条、16-18条
   国立民族学博物館民俗学資料廃棄規則 H17 2005/03/24


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Profile of Masaki Ina

稲正樹(いな まさき)  稲正樹 wikipedia 1949年生まれ 1973年北海道大学法学部卒 1977年北海道大学大学院法学研究科中退 1994年に北海道大学にて博士号授与。法学博士。 インド憲法の研究:アジア比較憲法論序説 北海道大学博士(法学)乙第4443号 1994...

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