Major Writings of Hiroshi Okumura

奥村宏 おくむら ひろし 1930-2017 氏の著述目録  岡山大学法文学部卒 産経新聞記者 日本証券経済研究所。研究所在任中の1980年に「法人資本主義の構造 日本の株式所有」で大阪市大より商学博士取得。1984年に龍谷大学、1994年に中央大学商学部に移籍。2001年退任。ここでは1990年以降の業績をリストupした。

単著 資本主義という病 ピケティに欠けている株式会社という視点 東洋経済新報社
2015/06
同上書評 藤野光太郎 President 2015/07/13
単著 徹底検証 日本の電力会社 七つ森書館 2014/09

単著 会社の哲学 会社を変えるために 東洋経済新報社 2013/07

単著 パナソニックは終わるのか 東洋経済新報社 2012/12

単著 トップの暴走はなぜ止められないのか 東洋経済新報社 2012/05

単著 経済学は死んだのか 平凡社新書 2010/04

単著 徹底検証 日本の三大銀行 七つ森書館 2009/10

単著 徹底検証 日本の五大財閥 七つ森書館 2009/03

単著 世界金融恐慌:1929年世界恐慌は再来するのか 七つ森書館 2008/12

単著 会社はどこへ行く NTT出版 2008/01 

単著 会社学入門:実学のすすめ 七つ森書館 2007/10

共著 佐高信と共著 会社事件史 七つ森書館 2007/07

論説 株式会社とはいかなる存在か 危機とその将来 生活経済政策 126 2007/07  9-13

インタビュー 構成 根村かやの 聞き手 柴田研 なぜ今会社は誰のモノかが問題なのですか Tech総研 2007/04/19

単著 株のからくり 平凡社新書 2006/10

単著 株式会社に社会的責任はあるか 岩波書店 2006/06

単著 粉飾資本主義:エンロンとライブドア 東洋経済新報社 2006/03

単著 「まっとうな会社」とは何か 奥村宏の集中講義 継続可能な会社の条件 太田出版 2006/03
共著 岩井克人ほかと共著 会社は株主のものではない 洋泉社 2005/11

単著 会社は誰のものでもない 21世紀の企業のあり方 ビジネス社 2005/09

cf.     西淳 社会制度の変化と経済構造の変化 立命館経済学 54特 2005/04 161-174

論説 法人資本主義と株式会社 商学論纂 46(3)   2005/03  105-127

単著 三菱とは何か 法人資本主義の終焉と「三菱」の行方 太田出版 2005/01

単著 最新版 法人資本主義の構造 岩波現代文庫 2005/01

単著 会社はなぜ事件を繰り返すのか:検証 戦後会社史 NTT出版 2004/09

単著 判断力 岩波新書 2004/04
cf.     勝部伸夫 法人所有と法人資本主義―奥村・会社支配論の検討を中心にして 産業経営研究(熊本学園大学) 2004/03  81-109
cf.     勝部伸夫 会社支配論論争―西山・奥村論争ー 産業経営研究 23 2004/03  111-126

単著 会社をどう変えるのか ちくま新書 2003/12

論説 歴史に学ぶ過剰資本の整理 ロジスティックス 2003/10

共著 中尾茂夫ほかと共著 日本経済再生の条件 筑摩書房 2003/03

単著 エンロンの衝撃 株式会社の危機 NTT出版 2002/11


監訳 アラン・ケネディ著 株主資本主義の誤算 短期の利益追求が会社を衰退させる ダイヤモンド社 2002/04

単著 倒産はこわくない 岩波アクティブ新書 2002/01

単著 会社とは何か 岩波ジュニア新書 2001/06

単著 株式相互持合いをどうするか 岩波ブックレット 2001/04

単著 株式会社はどこへ行く 株主資本主義批判 岩波書店 2000/08

単著 translation by Douglas Anthony and Naomi Brown, Corporate Capitalism in Japan, Macmillan St,Martin’s Press, 2000

提言 会社本位主義と教育 日本教育政策学会年報 6   1999   72-77

単著 大企業解体:株式会社が変わる ダイヤモンド社 1999/11

単著 無責任資本主義 東洋経済新報社 1998/12

監訳 マーク・J・シャー著 メインバンク神話の崩壊 東洋経済新報社 1998/10

単著 株主総会 岩波書店 1998/03

単著 21世紀の企業像 同時代ライブラリ 岩波書店 1997/06

単著 総会屋スキャンダル:野村証券事件の構図 岩波書店 1997/09

論説 21世紀の企業形態 社会経済システム 15  1996/10  65-70

単著 無責任経営「銀行の罪」 講談社 1996/02

単著 法人資本主義の運命:株式会社の「死に至る病」 東洋経済新報社 1995/6

単著 会社本位主義「解体の時代」 社会思想社 1995/03

単著 解体する「序列」と法人資本主義 社会思想社 1994/12
       (類似した先行書「解体する「系列」と法人資本主義」1992/08あり)

cf.安田均 法人資本主義における形態と実態 経済学研究 59(5/6) 1994/06 133-148

共編著 内橋克人、佐高信と共編著 日本会社原論 全5冊 岩波書店 1994/03-1994/12

単著 日本の六大企業集団 朝日新聞社 1994/01

共著 佐高信と共著 揺れる銀行 揺れる証券 社会思想社 1993/11
        (同名図書の再版)

単著 大企業解体のすすめ さらば法人資本主義 東洋経済新報社 1993/10

cf.  三戸浩 パラダイム転換と新しい会社支配論 横浜経営研究 13(3)  1992/12 203-218

単著 会社本位主義は崩れるか 岩波新書 1992/11

単著 解体する「系列」と法人資本主義 社会思想社 1992/08

共著 佐高信と共著 企業事件史 日本的経営のオモテとウラ 社会思想社 1992/04

単著 株とは何か 朝日新聞社 1992/02

単著 証券スキャンダル 岩波書店 1991/10

共著 佐高信と共著 揺れる銀行 揺れる新書 社会思想社 1991/10

単著 法人資本主義:「会社本位」の体系 朝日新聞社 1991/06

単著 法人資本主義の構造 社会思想社 1991/02

単著 企業買収 M&Aの時代 岩波新書 1990/04

cf. 飯田裕康 書評 奥村宏「法人資本主義の構造:日本の株式所有」 三田学会雑誌 69(1) 1976/01 59-60

Major Writings of Satoru Yosida

吉田曉よしだ さとる 1933-2014 氏の著述目録  1955年東京大学経済学部卒 全国銀行協会を経て1985年から武蔵大学経済学部に勤めた。同姓同名者が複数以上いる。1980年以降で試作した。

cf. 斉藤美彦 内生的貨幣供給説への到達とその深化 吉田金融論の形成過程 大阪経大論集 74(2) 2023/07 1-20

論説 内生的貨幣供給と信用創造 季刊経済理論 45(2)  2008/07  15-25

cf.  吉川顕麿 吉田曉氏における「預金通貨」論の研究 金沢星稜大学論集 41(3)  2008/03 11-21

論説 決済システムからみた都銀と地銀 金融構造研究 27  2005/03 19-23

書評 川合研「アメリカ決済システムの展開」2002    福岡大学商学論叢 48(4)   2004/03 587-597

学位 決済システムと銀行・中央銀行 中央大学経済学博士 2004/03/23

論説 信用創造と信用貨幣―小林真之氏他の批判に答える 武蔵大学論集 51 (2)  2003/12  33-57

論説 インフレ・ターゲット論の虚妄 金融の現実無視、信用創造の「原理」直視せよ 金融財政 2002/06/06    2-7

単著 決済システムと銀行・中央銀行 日本経済評論社 2002/04
同上書評 斉藤美彦 金融財政事情 53(22)  2002/06/10  46-
同上書評 小谷野俊夫 国際関係比較文化研究 1(1)   2002 147-156
同上書評 木村二郎 武蔵大学論集 50(2)  2003/01 303-323
同上書評 松本朗 金融経済研究 19   2003/03 111-113

共著 山口重克ほかと共著 現代の金融システム:理論と構造 東洋経済新報社 2001/03

論説 電子マネーは新たな通貨か 武蔵大学論集 48(3)  2001/03 47-77

論説 電子マネーとナロウバンク 新しいマネー、新しい銀行か 国際金融 1059  2001/02/01  56-63

論説 金融ビッグバンについて 上 国際労働運動 28(8)  1998/08  14-25
   金融ビッグバンについて 下 国際労働運動 28(9)  1998/09   50-56
論説 オーバーローン論再考 東京経大会誌 207  1998/01  141-153

論説 ナロウバンク論批判 武蔵大学論集 42(4)  1995/02   1-21

論説 金融システムの安定性とナローバンク論 金融 559  1993/10   4-10 

論説 ノンバンクの金融システムにおける位置 金融 530  1991/05   4-10

解説 金融自由化と金融制度 経セミ 429  1990/10   8-11

論説 決済システム・準備預金および中央銀行 F.F.Famaのアカウンティングシステムの検討 武蔵大学論集 37(2-5)  1990/03 157-178

解説 MMCの経済学 規制金利から自由金利へ 経セミ 406  1988/11 40-43

コメント 金融研究会「金融リストラクチャリングの基本問題」1988/06/29でのコメント 金融研究 7(3) 1988/10 1-13

論説 支払決済制度をめぐる諸問題 リスクを中心として 金融 498  1988/09  4-11

論説 ペイメント・システムのリスクと銀行の本質 武蔵大学論集 35(6)  1988/03 25-48

書評 スプレーグ「銀行破綻から緊急救済へ」 証券経済 163 1988/03 167-180

解説 金融自由化と金融政策-窓口規制から市場操作へ 経セミ 382  1986/11 34-39

解説 金利自由化段階における公定歩合と預金貸出金利 国際金融 767 1986/06/15 2-8

論説 歩積み・両建て預金を考える 論集 現代の金融問題4(金融システム) 日本経済新聞社 1980/05 所収

論説 過剰流動性は再燃するか(橋本長雄と共著) 論集 現代の金融問題2(短期金融市場)所収 日本経済新聞社 1980/03   所収

 



The Bank in film

The Bank in film

 銀行を描いた映画を3本取り上げる。

The Bank (2001)

  The Bank 2001(Wikipedia)



 この映画の中でフラクタル幾何学fractal geometryを使い株価を予測することが紹介されている。自然界にみられるフラクタル(部分が全体と同じ形になる自己相似性self similarityを示す図形)現象と、経済現象におけるフラクタル現象は似ている(同じものではないか)という考え方があり、そこからフラクタル幾何学を用いて、経済現象を予測するという議論が行われることがある。映画のなかでは、フラクタル幾何学を用いた株価予測を紹介されている(trailerの画面はフラクタル現象を象徴している)。経済物理学という言葉が社会をにぎわせた時期と、この映画は重なっている。ただ株価の動きがフラクタルだとすると、そこには、平均とか分散などの従来的な考え方(標準偏差standard deviationの大きさや価格変動率volatilityでリスクを把握する考え方)による株価分析の妥当性を否定する主張が控えている。一見ランダムに動くものを予測可能なものとするこの分析法は、従来的な株価分析の正当性を否定する側面も有している。
 

   cf. chaos theory and investing

   cf. chaos theory and butterfly effect


The International (2009)


Tom Tykwer監督 邦題「ザバンク 堕ちた巨像」 クライブ・オーウェル主演

ナオミ・ワッツ共演 Guggenheim美術館のramp(上階に向かうスロープ)で展開される銃撃戦が圧巻。1991年に破綻したIBBCの事件がモデルとされる。映画では、(国際紛争や政情不安の原因になる)武器の国際的輸出の背後に、それを資金的にカバーする銀行が存在するが、実はこうした銀行の存在を、軍事産業や政府が必要としている、それゆえこういう銀行は無くならないのだというstoryが語られる。


The Banker (2020)



 不動産業者そして銀行による人種差別。どのように乗り越えたか。白人地域に空き家はあり黒人地域は密集している。そして黒人の中にも資産を保有している人がいる。そこにビジネスチャンスがある。ただ銀行が融資に応じない。そこで銀行を買収することを思いついた。しかし買い手が黒人と分かると、相手は応じない。そこでどうしたか。ーこの映画は、人種差別社会が、どのように覆されたかを、黒人側から市場競争の視点で前向きpositiveに描いている。どこまでこの映画が、事実と重なっているかが気になる所だ。

   La La Land Lucy




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Profile of Masaki Ina

稲正樹(いな まさき)  稲正樹 wikipedia 1949年生まれ 1973年北海道大学法学部卒 1977年北海道大学大学院法学研究科中退 1994年に北海道大学にて博士号授与。法学博士。 インド憲法の研究:アジア比較憲法論序説 北海道大学博士(法学)乙第4443号 1994...

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