パッセンジャー Passengers

 Passengers  2016年

2016年に公開された映画。評価は割れているが、興行的には大成功となっている。以下のあらすじはPassengers Wikipediaによる。

舞台は惑星planet Homestead Ⅱに向かう宇宙船の中。人類は地球を離れて惑星に居住を始めている。しかしその片道は120年。そこで人々は到着直前までポッドのなかで冬眠している。この宇宙船には5000人の乗客と258名の乗務員が乗船している。ところが小惑星との衝突asteroid collisionによる事故により、乗客のJim Preston(Chris Pratt)は途中の30年のところで冬眠から解除されてしまう。Prestonは到着まで90年あるのに、冬眠に戻れないこと、誰も助けに現れないことを知り絶望する。それでもPrestonは1年あまり孤独に耐えるが、ついにAurora Lane(Jennifer Lawrence)を起こしてしまう。二人はやがて打ち解けるが、ふとしたことでLaneはPrestonが冬眠から起こしたことを知り激怒する。そこに一等航海士(deck chief officer:船長captainを補佐して船を統括する人のことDCO)であるGus Mancuso(Laurence Fishburne)も冬眠から起こされたとして登場する。ちょうどそのとき、宇宙船では一時、重力を失うという深刻な事故が起きる。Gusは、Prestonが起きた原因は、その時に小惑星との衝突で宇宙船が重大な被害を受けたことにあること、それ以来、宇宙船が多くのトラブルを抱えていると判断する。しかしポッドの長期間不調の影響で、自身が瀕死の状態(全体として壊死状態pansystemic necrosis)にあるとの診断も受ける。GusはPrestonとLaneの二人に5000人の乗客のために、協力して宇宙船の不調の原因を調べて修復することを頼んで亡くなってしまう。そこで二人はGusから与えられた権限を使い、宇宙船の心臓部へと向かう。



Passengersを見て感じたのは、最初の想定から出発していろいろな展開が可能であるのに、この作品の終わり方はいいのかどうか。以下の最後にfan made endingを置くがこの終わり方の方が印象が深くなる。では、この作品が、興行的に成功したのはなぜだろう。それはendingを含め、単純さであろう。しかし映画としては、あるいは作品としては印象が浅くなる。ということではないだろうか。




fan made alternate ending scene


   La La Land Lucy



ミッドナイトスカイ The Midnight Sky

 The Midnight Sky, Netflix, 2020年

破局的な核戦争後、南極に一人残った科学者Augustine Lofthouse(George Clooney)が主人公。彼は重病を抱えて、血液透析(hemodialysis:HD)をして過ごしている。研究一筋の彼には別れた女性との間に娘がいた。南極の基地に一人残されて暫くして、彼は少女を見つける。少女はしゃべらず、絵を描いて自分はアイリスだと名乗った。やがて汚染は進行し、基地の外も安全とは言えなくなったころ、地球への帰還を目指している宇宙船(the interplanetary craft Aether)があった。木星の惑星(K-23)の一つを探査して、居住可能性を確認して帰還の途次にあった。しかし地球はすで汚染されており、帰還は自殺行為だった。帰還を阻止すべく老科学者は少女を連れて、より性能の良い通信施設を目指して基地を困難な旅に出発するのであった。


私はこの映画をとても気に入ったのだが、映画評を見ると平均値は低くなっている。派手なアクション、爆発、カーチェイスなどを期待する人にとっては、物足らないのだろう。また確かに帰還できないことについてのAetherの側に葛藤がないことなどendingには私も少し不満がある。原作はLily Brooks=Dalton(1987-)が 2016年に発表した小説Good Morning, Midnightである。映画のあらすじは、Wikipediaのものを掲載しておく(The Midnight Sky, Wikipedia)ので参照されたい。
 

アイアムマザー I am Mother

I am Mother 2019年
I am Motherは2019年Netflix公開の科学スリラー映画。舞台は人類消滅後の地球。主人公は人工知能ロボットに育てられた少女。ロボットは長い年月、献身的に少女を育てる。そこには何も悪は存在しないように見える。少女は、医学的知識を教育されているようだ。また今では施設の故障を修理できるまでになっている。閉鎖された空間だが、人工太陽のような光も入る。ロボットである母を少女は信頼している。しかしある日、施設の外への興味を抑えられなくなった少女は外部につながる入口に近づく。すると助けを求める女性の声が聞こえる。絶滅されたはずの人類がなぜ外にいるのか。外は放射能で汚染されているのではなかったか。少女は、母であるロボットから教わったことに疑問が少しずつ生まれるのであった。


映画は多くの謎を残して終わる。人工知能と、人類の絶滅はどう関係しているのか。絶滅の話と、外の荒涼たる世界の外に広がる穀物畑、鉱山や人の存在の食い違いは何を意味するのか。人工知能である母はどこまでのことを知っている存在なのか。そもそもこの母は善なる少女を守る存在なのか。少女と赤ちゃんの男の子とはこのあとどうなってゆくのか。・・・というように疑問を残し、続編が楽しみになる。事実、続編は製作中とされている。


    Across the Universe Contact Doctor House   Dreamgirls 

   La La Land Lucy

 

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Profile of Masaki Ina

稲正樹(いな まさき)  稲正樹 wikipedia 1949年生まれ 1973年北海道大学法学部卒 1977年北海道大学大学院法学研究科中退 1994年に北海道大学にて博士号授与。法学博士。 インド憲法の研究:アジア比較憲法論序説 北海道大学博士(法学)乙第4443号 1994...

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